January, 18, 2021, Berkeley--波のような、プラズモンとして知られる電子の集団振動は、金属の光学的、電子的特性を決める際に非常に重要である。
原子厚2D材料では、プラズモンは、センサ、通信デバイスを含むアプリケーションには、バルクメタルで見られるプラズモンよりも有用である。しかし、プラズモンの存在時間、そのエネルギーと他の特性がナノスケールで制御可能かどうかの決定は、多くの人に理解できなかった。
Nature Communicationsに発表された論文では、バークリー研究所の研究チームがC2SEPEM(エネルギー材料における励起状態現象のコンピュータ研究センタ)のサポートを得て、「疑似2D結晶」と言われる新しい種類の遷移金属ジカルコゲナイド(TMD)で長寿命のプラズモンを観察した。
準結晶におけるプラズモンの動作の仕方を理解するために研究チームは、TMD二硫化タンタル単層における導電性電子と非導電性電子の両方の特性を詳しく調べた。以前の研究は、導電性電子だけに注目していた。C2SEPEMディレクタ、、研究リーダー、Steven Louieは、「両タイプの電子間の全ての相互作用を注意深く取り込むことが非常に重要であることを発見した」とコメントしている。同氏は、バークリーLab材料科学部上級研究者、UCバークリー物理学教授。
研究チームは、高度な新しいアルゴリズムを開発し、長波プラズモン振動を含め、その材料の電子特性を計算した。この研究の主筆、Felipe da Jornadaは、「以前の研究アプローチでは、これがボトルネックだった」と話している。同氏は現在、スタンフォード大学材料科学・光学准教授。
バークリーLab、NERSCのCoriスーパーコンピュータによる計算結果は、準2D TMDsのプラズモンは、約2 psの長さで、以前に考えていたよりも遙かに安定的であるということである。
その研究成果は、準2D TMDsによって生成されたプラズモンは、光強度を1000万倍強化することを示唆している。これは再生可能化学(光で始動する化学反応)、あるいは光で制御可能な電子材料工学に扉を開く。
今後の研究では、研究チームは、そのようなプラズモン減衰によって放出される高エネルギー電子の利用法を研究する予定である。また、それらが化学反応に触媒作用を及ぼすために利用できるかどうかも研究する。