January, 6, 2021, 東京--情報通信研究機構(NICT)ネットワークシステム研究所のラーデマッハ ゲオルグ フレデリック研究員らのグループは、NOKIA Bell Labs(ベル研)のNicolas K. Fontaine研究員、Prysmian Group(プリズミアン(イタリア)、VP of the Optical Fiber Business Unit at Prysmian Group: Eric Stoltz)のPierre Sillard研究員らと共同で、シングルコア・15モード光ファイバを用い、世界で初めて毎秒1ペタビット(Pbps)超伝送実験に成功した。この結果は、これまでのマルチモード光ファイバ伝送容量世界記録の約2.5倍となる。
これまで光ファイバの大容量化の研究では、受信側のモード分離と信号処理が難しく、モード数が多い研究は進んでいなかった。しかし、今回、広帯域波長多重技術と多重反射位相板による小型・低損失・高精度のモード合波器/分波器を用いることで、モード数が多い信号処理が可能となり、15モードでの毎秒1ペタビット(Pbps)超、23km伝送に成功した。信号収容密度が高く、製造技術が容易なシングルコア・マルチモード光ファイバによる大容量伝送成功により、将来の高密度大容量伝送に向けたマルチモード伝送技術の高度化が期待できる。
この実験結果の論文は、第46回欧州光通信国際会議(ECOC2020)にて非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Post Deadline Paper)として採択された。
(詳細は、https://www.nict.go.jp)