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「湾曲」ブレードでレーザメス作製を提案

December, 21, 2020, Tomsk--Tomsk Polytechnic University とSaratov State Universityおよび台湾の研究者は、フォトニック「フック」を利用する特殊な湾曲形状の医療用メスのレーザ「ブレード」作製を提案した。現状は、軸対称フォーカスエリア、つまり円筒刃のレーザメスが存在するだけである。研究者によると、ブレードの形状を変えることは医療で使用するレーザの可能性を拡大することになり、円筒オプションよりも約2倍薄くなる。そのコンセプトと原理は、Biophotonicsに発表された。

レーザメスは、レーザエネルギーを使って生体組織を切断、除去するための医療器具である。限られた範囲の組織で、ビームが温度を急激に400℃まで上げ、瞬時に放射エリアを焼き切る。こうして、レーザメスは、非常に薄い切開を達成し、出血を減らす。放射自体は全くの無菌である。

「従来の手術メスは、特殊なアプリケーションに適合するように多様なブレード形状だった。レーザメスは、そのような多様性はない、むしろ放射位置形状は一つしかない、軸対称である。したがって、われわれはフォトニック‘hook’を使い、先端形状を湾曲にする簡単な方法を提案した。これは、新しいタイプの湾曲自己加速光ビームで、フックのような形状である。初期に、われわれは理論的に予測し、実験的にそのような‘hook’の存在を確認した」とTPU電気光学部教授、プロジェクトマネージャ、Igor Mininは説明している。

レーザメスの不可欠の要素は、レーザエネルギーを伝送するファイバである。その先端に複数波長の集光レーザビームが形成される。その助けを借りて外科医は、全ての必要な操作を行う。

「レーザビームを曲げるためにわれわれは、可能な最も単純なソリューションの一つを提案した。ファイバ端に振幅、つまり位相マスクを設置すること。それは金属、あるいはガラスのような誘電体材料でできた薄いプレートである。マスクは、ファイバ内のエネルギーの流れを再分布させ、ファイバ端で放射位置の湾曲域を形成する、つまりフォトニック‘hook’である。

シミュレーションにより、湾曲ブレードは、3mmまでの長さ、厚さ約500µm、波長1550nmを実証した。われわれは、デバイスの一般的設計や性能に影響を与えることなく、1つの小さな素子を追加し、ファイバ端だけを変える。ブレードの形状と厚さは変化する。それは、軸対称オプションより約2倍薄い。

(詳細は、https://news.tpu.ru/)