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THz照射で表面トポグラフィを計測する超高感度法を開発

December, 14, 2020, St. Petersburg--様々な物体を画像化する技術の選択肢は幅広い。
 しかし、これらの技術は、日々複雑化しており、プロは画像を取得する新しい方法を確立するか、今日すでに適用されている方法を改善するか、そのいずれかをする必要がある。スペシャリストは、時には対象物表面の3D画像を撮る必要がある。そうした場合、プロフィロメトリ(形状測定)かホログラフィ(立体写真術)を利用する。ホログラフィ技術は、対象の擬似3D複製を作るだけでなく、産業目的でも役立つ。

全ての方法に制約があり、全ての技術は、代替法による改善または置き替えが可能である。ロシアとフランスの研究グループは、テラヘルツ(THz)放射で、対象表面の3D画像を撮る方法を提案。これは、ホログラムに特性が類似している。

波の位相を捉える
 テラヘルツ放射は、赤外とマイクロ波の間の周波数域で機能する電磁放射。研究者にとっては、超高速インターネット接続からX線の置き替えまで大きな可能性を開く。先頃、研究者は、物体をTHz放射にさらして3D画像を撮る実験を行った。ロシア-フランス研究グループが、そのような擬似3D画像を撮ることに成功した。

「このプロジェクトでは、われわれはTHz放射と波の位相を回収する特別な方法を使った」とITMOデジタル、ディスプレイホログラフィ研究所長、Nikolay Petrovは説明している。「それが何であるかは、水面の波を考えてみれば良い。位相は、波の一つの部分が、他との関連で動く距離である。この波が、ある物体で反射されるとしよう、石が小さなコブを持っているようなものである。滑らかな波は、それに当たり乗り上げると、前と同じように滑らかに返ってこない。残りの波が、それに当たって乗り上げる前に、一定量の水がそのコブにぶつかるからである。われわれの研究では、原理は同じである。波の位相を回収することで、われわれは、波が反射された表面のトポグラフィを再建できる」。

研究者は、THz領域の電磁波に物体をさらし、次に、その放射がこの物体と相互作用した後に形成されるエネルギー分布を特別なセンサで記録する。次に、データの数学的処理に基づいた特別なソフトウエアを使って、このエネルギー分布から物体の表面についての情報を取得することができる。

2対1
THzホログラフィのすでに存在する代替法に対するこの方法の主要な利点は、THz放射のパワーセーブである。これは、ホログラムではよく利用される2つではなく、1つのビームだけを使って達成される。

「われわれの位相回収法では、物体から反射された波の強度分布である回折フィールドを記録する。通例、ホログラフィは、付加的基本波を利用する。基本波と物体波の間の相互作用の結果としてホログラムが生成されるようにである。物体波だけを残すことで、われわれはわずかな量のTHz放射エネルギーを利用できるのである」(Nikolay Petrov)。

「THz放射物は、十分な強度がない。したがって、画像構築の為に計測が適切な機能を持つように、HDRで機能するシングルピクセルディテクタを使って、計測のノイズレベルを最小化し、感度を大きく押し上げた」と論文の共著者、Adrien Chopardは説明している。
(詳細は、https://news.itmo.ru)