December, 11, 2020, Moscow--NUST MISIS (モスクワ鉄鋼合金製造大学)の研究者は、アルミ3Dプリンティング技術を改良し、製品の硬さ1.5倍増を達成した。開発したナノカーボンをアルミ粉末に加えると、3Dプリントされた航空宇宙用複合材の品質が向上する。添加物は、石油ガス関連の処理製品から得たものである。研究成果は、Composites Communicationsに発表された。
現在、アルミ3Dプリンティングの主要アプリケーション領域は、航空宇宙産業向けのハイテク部品製造である。プリントされた構造にわずかな欠陥でも存在すると、製造技術の安全性は危機にさらされる。NUST MISIS研究者によると、そのような欠陥の主要なリスクは、中でも、元のアルミ粉末の品質が原因となる材料の高空隙率である。プリントされた製品の均一で稠密な微細構造を確実にするために、MISIS Catalis Labの研究者は、アルミ粉末へのカーボンナノファイバ添加を提案した。この改良添加物を利用することで、材料の低空隙率、1.5倍の硬さ増が確実になる。
「添加成分を主母材に導入することでブリント粉末の化学的および相組成が変化し、その特性が改善される。特に、カーボンナノファイバは高い熱伝導性があるので、選択レーザ溶解の段階で、製品合成中のプリント層間の熱勾配最小化に役立つ。この結果、材料の微細構造は、ほぼ完璧に不均等性を除去することができた」と同研究所長、NUST MISIS教授、Ph.D. Alexander Gromov.は説明している。
研究チームが開発したナノカーボン添加物の合成技術に含まれるのは、化学蒸着法、超音波処理とIR熱処理。使用ずみのカーボンナノファイバは、付随石油ガス処理の副産物に違いない。その触媒分解中に、カーボンが、触媒の分散金属粒子にナノファイバの形で集積する。通常、現在は、付随ガスは現場で燃やされるだけであり、これは環境に害を及ぼす。したがって、新方法のアプリケーションは、環境上の重要性もある、とCromov教授は話している。
(詳細は、https://en.misis.ru)