October, 6, 2020, 札幌--北海道大学電子科学研究所の小野円佳准教授らの研究グループは,ペンシルベニア州立大学(アメリカ)のYongjian Yang博士,John C. Mauro教授及びAGC株式会社の本間脩氏,浦田新吾博士らと共同で,理想的な究極透明ガラスの構造を解明した。
研究は,計算機科学を用いて,圧力急冷プロセスで合成したシリカガラスの構造を求めたものである。その結果,高温高圧下ではガラスの構造がより理想的になって透明度が極めて高くなり,光損失が常圧ガラスの50%以下になることを見出した。シリカガラスは光ファイバの母材として広く利用されているガラスで,今回明らかにした構造を持つシリカガラスを光ファイバに応用できれば,光信号増幅器による増幅なしにデータを伝送できる距離を飛躍的に伸ばすことができる。その他にも,究極の安全性をもつと言われる量子通信の実用化へはずみがつくことが期待される。
研究成果は, Computational Materials誌に掲載された。
(詳細は、https://www.hokudai.ac.jp)