September, 10, 2020, Melbourne--RMIT大学の研究チームは、人の皮膚のように痛みに反応する電子的人工皮膚を開発した。これは、優れた人工皮膚、よりスマートなロボット工学、非侵襲的な人工皮膚の代替への道を開く。
RMIT大学チームが開発したプロトタイプデバイスは、人の皮膚が痛みを知覚する仕方を電子的に再現する。
デバイスは、身体からの即時フィードバック反応を真似て、神経信号が脳に行くのと同じ速度で疼痛感覚に反応できる。
主席研究者、Madhu Bhaskaran教授によると、痛覚プロトタイプは、次世代バイオメディカル技術、インテリジェントロボット工学への大きな前進だった。
「皮膚はわれわれの身体の最大の感覚器官であり、何かが傷つけると直ちに警告信号を送るように設計された複雑な機能を持つ」。
「われわれは皮膚を通して常に何かを感じているが、疼痛反応はある点でのみ始まる、何か熱すぎるもの、あるいは尖ったものに触れた時である。
これまで、電子技術が人間的な疼痛感覚を現実的に真似ることはなかった。
われわれの人工皮膚は、圧力、熱、あるいは冷たさが疼痛閾値に達すると直ちに反応する。
それは、高度なフィードバックシステムの今後の開発に向けた重要な一歩である。また、われわれが真にスマートな人工臓器やインテリジェントロボットを提供するために必要なシステムである」。
機能センシングプロトタイプ
疼痛センシングプロトタイプとともに研究チームは、伸縮可能エレクトロニクスで造られたデバイスも開発した。これは、温度や圧力の変化を検知し,応答する
RMIT機能材料とマイクロシステムグループ共同リーダー、Bhaskaranによると、電子形式で皮膚のセンシング能力の重要機能を提供する3つの機能プロトタイプが設計された。
さらなる開発で,伸縮可能人工皮膚は,非侵襲的スキンクラフト(植皮)の将来的オプションにもなる。従来のアプローチは、実行可能ではなく、機能しない。
「この技術をバイオメディカルアプリケーションに組みこむにはさらなる開発が必要であるが、生体適合性、皮膚のような伸縮性など基本はすでにある」(Bhaskaran)。
電子スキンの作り方
Advanced Intelligent Systemsに発表され、暫定特許申請された新しい研究は、以前に開発され,特許化された3つの技術を統合している。
・伸縮可能エレクトロニクス: 酸化物材料と生体適合シリコーンを統合して、スティッカーのように薄く、透明、壊れない、ウエアラブルエレクトロニクス。
・温度反応コーティング: 自己書き換えコーティング。熱に反応して変形する材料に基づいた、人毛よりも1000倍薄い。
・脳を真似るメモリ: 電子メモリセル。以前の情報を呼び出し、保持するために脳が長期メモリを使用する方法を模倣。
圧力センサプロトタイプは、伸縮可能エレクトロニクスと長期メモリセルを統合。ヒートセンサプロトタイプは、温度反応コーティングとメモリを統合、一方疼痛センサは3つ全ての技術を組みこむ。
Ph.D研究者、Md Ataur Rahmanによると、各プロトタイプのメモリセルの関与は、圧力、熱あるいは痛みが設定された閾値に達すると反応を始動する。
「われわれは、根本的に初の電子体性感覚を実現した、われわれの感覚刺激の知覚を動かすニューロン経路や受容体の身体の複雑なシステムを置き換える」。
「既存技術の中には様々な疼痛レベルを真似るために電気信号を利用したものもあるが、これら新しいデバイスは実際の機械的圧力、温度、疼痛に反応し、適切な電子的反応をすることができる。
「われわれの人工皮膚は、ピンにそっと触ったか、指に偶然それが刺さったかの区別ができる。以前は電子的に達成されることがなかった重要な区別である」と同氏は説明している。
(詳細は、https://www.rmit.edu.au)