September, 7, 2020, 仙台--夢の超省電力光源として、励起子と光子の連成波(励起子ポラリトン)を微小共振器モードと結合させて用いる共振器ポラリトンレーザの実現が期待されている。
東北大学多元物質科学研究所の嶋紘平助教、古澤健太郎助教(現NICT主任研究員)、秩父重英教授は、室温において励起子が安定して存在できる酸化亜鉛(ZnO)単結晶を活性層とするチップサイズの微小共振器を作製し、共振器ポラリトンを室温で観測することに成功した。共振器ポラリトンは低濃度でも単一のエネルギー状態を占有するコヒーレンシーが高いため、ポラリトンレーザは従来の半導体レーザよりも大幅に低いキャリア注4濃度でコヒーレント光を発する可能性がある。今回実証した、チップサイズの微小共振器による室温での共振器ポラリトン生成は、室温動作ポラリトンレーザの実現に向けた大きな前進。
研究成果は、米国物理協会(AIP)の科学雑誌Applied Physics Lettersにてオンライン公開された。
(詳細は、http://www.tohoku.ac.jp)