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超短パルスレーザとロボットでCFRPコンポーネントを高速製造

September, 4, 2020, Aachen--炭素繊維強化プラスチック(CFRP)コンポーネントは、通常、留め具を使ってアセンブリされる。留め具は一般に、硬化され、穴あけされた時点で、CFRPコンポーネントに接着される。CarboLaseプロジェクト背後のコンソーシアムは新しい方法を考案し、超短パルスレーザを使い、マイクロメートル精度で、繊維プリフォームのファスナーに孔を開ける。CFRPコンポーネントが硬化される前にこの高精度カットアウトにファスナを組み込むと、製造工程の短縮に時間節約となる。2019年、プロジェクトチームの取組は、“Combined Strength”カテゴリーでCAMX Awardを受賞した。

CFRPは、最も多用途の複合材料の1つである。その構成部分の確かな機械的特性、高強度炭素ファイバで強化されたポリママトリクスを組み合わせて、高強度、高剛性、低密度ソリューションを実現する。したがって、エネルギーとリソース効率についての懸念が増している時に、CFRPsが実際のブレイクスルー達成に苦労している理由がある。1つの理由は、高い製造コスト。もう1つは、CFRPコンポーネントの加工が難しいこと。

CarboLaseプロジェクト
プロジェクト“CarboLase – 高い生産性、 自動化と個別仕様ジャストインタイムCFRPコンポーネント製造”は、 European Regional Development Fund (ERDF)から助成を受けている。
 CFRPコンポーネントを組み立てる従来法は、製造されるCFRPモジュールに穴を開け、次にネジ切りインサートなどの金属ファスナに接着する。従来部品を軽量コンポーネントで置き換えるには、いずれも着脱可能で安全な、CFRP部分と従来部品間の接続が必要になる。

CarboLaseプロジェクトは、ファスナをテクスタイルプリフォームに組み込むことで別のアプローチを追求した。最終CFRPは、次にファスナを含む付加的硬化プロセスで造られる。これは、製造プロセスチェーンを大幅に短縮する。しかし、この方法が機能するのは、繊維プリフォームでファスナの切り出しが、高精度穴あけされている場合だけである。

3方面アプローチ
プロジェクトチームは、CFRPコンポーネント製造プロセスを開発した。これは、CNC切断、レーザ加工、自動ハンドリングの3方面アプローチを採用することでボックスのすべてをチェックするプロセスである。単一ロボットセルにこれら個々のプロセスステップの技術を統合し、その間で全てのステップを自動化した。まず、プリフォームは、繊維の切断、スタック、アセンブリにより作られる。次に、超短パルス(USP)レーザが金属ファスナ用にプリフォームに高精度切込みをドリルする。

USPレーザは、従来製法の優れた代替である。しかし、そのレーザがロボットセルに組み込まれている場合である。従来の設定では、超短パルスは、ミラーを使ってその目標まで誘導されるが、これはロボットアームでは全く実用的ではない。この問題に対処するために、Fraunhofer ILT とAMPHOS GmbHは、USPレーザビームの出入りを結合するための新技術を共同開発した。USPレーザ光源は、中空コアファイバでロボットアームのスキャナに接続された。

新しい方法をテストし、その技術的実行可能性を実証するためにプロジェクトパートナーは、Bピラーコンポーネントのデモンストレータを作製し、それを広範な機械的テストにかけた。結果は、大成功だった。一連の引き抜きと捩じりテストの両方で、CarboLase法を利用して作製された結合部は、従来法で製造されたCFRPコンポーネントのものよりも優れた性能だった。インサート材とマトリクス材の間の連動連結部により、この新しい方法で製造したCFRPコンポーネントは、接着インサートの従来法で製造されたコンポーネントと比較して、50%高い引き抜き力に耐えることができる。コンポーネント設計によるが、機械的性能におけるこの改善は、全般的なコンポーネントの厚さと重量の削減可能性となる。

CarboLase法は、ファスナサイズや位置に関して、非常に大きな創造的自由度を設計者に与えることになる。ロボットとスキャナは、静的機械的加工センタよりもはるかに自由にメートルスケールとミクロンスケールの両方で動ける。これは、現在の最先端を超えるCFRPの効率的なマスカスタマイズへの道を開く。動的USPレーザ穴開けプロセスは、航空宇宙や自動車分野での軽量コンポーネントでは特に関心が高く、CFRPコンポーネント製造のプロセスと材料コストを削減する可能性がある。

Fraunhofer ILT と AMPHOS GmbHは、CarboLaseプロジェクトのために、USPレーザ技術開発の技術を出し合った。LUNOVU GmbHもシステムインテグレータとして仕事をし、ここのプロセスステップを接続し、ロボットセルにおけるセンサの組込を行った。