Science/Research 詳細

テラヘルツ領域を拓く、高感度・広IF帯域ヘテロダイン受信機を開発

September, 2, 2020, 東京--情報通信研究機構(NICT)は、磁性材料を用いた独自の超伝導ホットエレクトロンボロメータミキサ(HEBM)を開発し、2 THz帯ヘテロダイン受信機の低雑音化と広IF帯域化を実現した。
 これは、この技術が、従来困難であったHEBMの極微細化を可能にしたことにより、実現したものである。今回作製した2 THz帯HEBMは、量子雑音限界の6倍程度である約570 K(DSB)の低雑音性能と、従来構造のHEBMと比べ約3 GHz拡大した約6.9 GHzの広IF帯域特性を達成した。これらは共に世界トップレベルの性能。
 この技術は、未開拓周波数領域であるTHz周波数領域における基盤技術として、高速無線通信、非破壊検査、地球環境計測、電波天文などの新たな周波数資源開発に資するものと期待されている。
 研究成果は、IEEE Transactions on Terahertz Science and Technologyに、掲載された。

(詳細は、https://www.nict.go.jp)