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夜間に発電する効率的低コストシステム

August, 24, 2020, Washington--スタンフォード大学の研究者は、夜間に効率的に発電するオフグリッド、低コストモジュラーエネルギー源を開発した。同システムは、市販技術を利用し、都市部の夜間照明ニーズを満たし、開発途上国では照明供給に役立つ。

太陽光発電に多くの利点はあるが、その利用は太陽光の分布に強く依存している。そのため、多くの場所で制約があり、夜間は全く利用できない。日中に生産されたエネルギーを蓄積するシステムは一般に高価であり、したがって太陽エネルギーの利用コストを引き上げる。

もっと安価な代替を見つけるためにスタンフォード大学のShanhui Fanをリーダーとする研究チームは、放射冷却に注目した。このアプローチは、周辺空気から吸収した熱と冷空間の放射冷却効果との温度差を利用して発電する。

Optics Expressで、研究チームは最適化された放射冷却アプローチを理論的に証明している。これは、屋根の上のデバイスで2.2W/㎡を生成する。バッテリ、外部エネルギーは不要である。これは、実験的に証明されたエネルギー量の約120倍であり、セキュリティ、環境アプリケーションで利用されるモジュラーセンサへ電力を十分供給できる。

「われわれは、ハイパフォーマンス、持続可能性のある照明生成の開発に取り組んでいる。これは、開発途上また地方に住む人々を含め誰でも、高信頼で環境に優しいローコスト照明エネルギー源にアクセスできるものである。モジュラーエネルギー源は、様々なアプリケーションでオフグリッドセンサに電力を供給し、自動車の排熱を利用可能な電力に変換する」と、論文の筆頭著者、Lingling Fanは説明している。

電力生成を最大化
放射冷却を利用して最も効率的に発電する方法の一つは、、熱起電力発電機の利用である。これらのデバイスは、熱電材料を使って、熱源とデバイスのクールサイド、つまり放射冷却器との温度差を電圧に変換する。

新しい研究ではチームは、熱起電力発電機の各ステップを最適化して、屋根の上面のデバイスからの夜間電力に発電が最大化するようにした。周辺大気からシステムへの熱フローが多くなるように環境発電を改善し、デバイスがそのエネルギー量を増強できる新しい市販熱電材料を組み込んだ。屋根上面の1㎡をカバーする熱起電力発電機が、熱損失と熱電変換でベストのトレードオフを達成できるように計算した。

「最も重要なイノベーションの一つは、デバイスのクールサイドに取り付ける選択的エミッタの設計だった。これにより、発電機がより効率的に余分な熱を排除するように放射冷却プロセスが最適化される」と研究チームのWei Liは説明している。

チームは、現実的な物理パラメータでシステムをシミュレートするために、コンピュータモデリングを使ってその新しいアプローチを実証した。そのモデルは、以前の実験結果を忠実に再現し、チームが設計した最適化されたシステムが、熱電変換を使い効率を最適化するように計算した結果に近いことを明らかにした。

実験の実施だけでなく、チームは夜間に加えて日中に同システムの運用の最適設計も調べた。これによりそのシステムの実用的なアプリケーションを拡大することができる。