August, 19, 2020, Gaithersburg--NISTの研究者を含むチームが開発したLEDの新設計には、光源の効率における長年の制約を克服するカギがある。研究所の微小LEDで実証されたそのコンセプトは、輝度の飛躍的な向上とレーザ光放出力を達成している。これらは、一連の大規模、微小化アプリケーションで貴重な特性のすべてである。
研究チームは、詳細をScience Advancesに発表した。そのデバイスは、従来の小型、サブミクロンサイズのLED設計に対して、輝度が100~1000倍向上することを示している。
その新設計の考案者、NIST、Babak Nikoobakhtは、「それはLED作製の新しいアーキテクチャである。われわれは従来のLEDで同じ材料を使う。われわれとの違いは、その形状である」とコメントしている。
LEDは数10年前から存在するが、最新のLEDでも、設計者が苛つくような制約がある。ある点までは、LEDに電気を供給すると明るく光るが、すぐにその輝度が低下し、LEDは非常に比効率になる。いわゆる業界で言う「効率低下」である。その問題は、通信技術からウイルスの除去まで多くの有望なアプリケーションの妨げになっている。
新しいLED設計は効率低下を克服しているが、研究チームは当初、この問題を解決するつもりではなかった。主目標は、非常に小さなアプリケーションで使う微小LEDを作ることであった。例えば、NISTなど、研究者が追求しているlab-on-a-chip技術。
チームは、一部のLEDで全く新しい設計を実験した。従来のLEDで使用されるフラットなプレーナ設計ではなく、チームは長く薄い酸化亜鉛から光源を作製した。いわゆるフィンである(長くて薄いは、相対的な表現。各フィンは、約5µm長)。そのフィンアレイは、1㎝程度に延びた微小な櫛のように見える。
「長い形状、大きなサイドファセットは、より多くの電流を受けると考えられた。最初、その新設計がどの程度の電流を取り込むかを計測したかった。電流を増やし始め、それがつきるまで駆動すると考えたが、LEDはますます明るくなるだけだった」とNikoobakhtは言う。
その新設計は、紫と紫外(UV)の境界をまたがる波長で明るく輝き、典型的な微小LEDと比較すると100~1000倍のパワーを生成する。同氏は、その結果を非常に素晴らしい基礎的な発見としている。
「面積がマイクロメートル平方以下の一般的なLEDは、約22ナノワットのパワーで光るが、これは20マイクロワットまで出力する。その設計は、LEDの効率低下を克服し、より高輝度の光源を作れることを示唆している」。
南カリフォルニア大学電気工学教授、Grigory Siminは「これまで見た中で最高の効率ソリューションの一つだ。これまで、業界は、LED効率向上に何年も取り組んできた。他のアプローチは、サブマイクロメートル波長のLEDに適用すると、技術的な問題がよく見られるが、このアプローチは、成功している」とコメントしている。
チームは、電流を増やすことで、別の驚くべき発見をした。最初にLEDがある波長範囲で光っている間、その比較的広い発光は、最終的に2つの強力な紫色に狭くなった。説明は明確である。その微小LEDは、微小なレーザになっていたのである。
「LEDをレーザに変換することは、大きな成果である。通常、レーザを造るために光が跳ね回るようにLEDを共振器に結合する。フィン設計は、それ自体で、その作業全体ができるようである、別のキャビティを加える必要がない」とNikoobakhtは説明している
微小レーザは、チップスケールアプリケーションにとって重要である。化学センシングだけでなく、次世代ハンドヘルド通信製品、高精細ディスプレイや殺菌などである。
「これが、重要な構成要素となる可能性は大きい。これは作製されたもので最小のレーザではないが、非常に高輝度なものである。効率低下がないことで、それは有用になる」とNikoobakhtは話している。
(詳細は、https://www.nist.gov)