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吹きガラスから新しい種類の量子センサ

August, 18, 2020, Melbourne--ダイヤモンドを利用するガラス作家の作品が、新しい種類の量子センサに扉を開いた。これは、磁場の変化をモニタすることができ、採鉱や水中モニタリングに関わる。

アデレードのガラス吹き作家Karen Cunninghamは、ダイヤモンドとガラスを使って作品を作っている時、それが新しい種類のハイブリッド物質のヒントになるとは考えていなかった。現在、RMIT UniversityおよびUniversity of Adelaideを含む科学者コンソーシアムは、新しい種類の量子センサを作製するためにその技術を使っている。

APL Materialsに発表された研究は、高性能ダイヤモンドセンサが、従来のガラスファイバを使うことでどのように作製されるかを明らかにしている。

ケイ酸塩ガラスファイバの横断面にミクロンスケールのダイヤモンド粒子を埋め込むことで研究チームは、磁場をセンシングできるロバストなファイバ材料の利用を実証した。

研究の筆頭著者、RMIT科学学部のDr Dongbi Baiによると、それは水中モニタリング、採鉱などの多くのアプリケーションに扉を開く素晴らしい成果である。

「これによりわれわれは、磁場の変化をモニタできる安価な量子センサネットワークを作ることができる。アプリケーションは多く、これまでわれわれが考えられなかった問題への解答が得られる」と同氏はコメントしている。

ダイヤモンドは、量子磁場センシングの最有力技術の一つである。アプリケーションは多様で、脳スキャニング、ナビゲーション、採鉱探査などがある。

しかし、ダイヤモンド粒子は、ハイエンド顕微鏡を通して見る必要がある。これは、長期に、あるいはフィールドでの利用には適していない。

アデレード大学フォトニクス・先端センシング研究所副所長、Heike Ebendorff-Heidepriemによると、研究チームは、この問題を回避するために10年間、取り組んだ。

「しかしダイヤモンドは高温で燃焼するので、われわれが使えるガラスには制限があった」。

研究チームは、いわゆる「ソフトガラス」から多くを学んだが、これらのガラスは非標準であり、従来の石英ガラスのようにうまく光を導波できない。

ガラス作家、Karen Cunninghamが脚光をあびたのはここである。同氏は、光がガラスを通してどのように動くかを示すためにナノ粒子を使って作品を作製しており、研究室でHeikeや同僚が利用しているダイヤモンドに注目した。

Karenが使ったダイヤモンドは直径1µm。
 このダイヤモンドのサイズは大きすぎて、研究では主にテストに使用するものである。
 信じがたいことに、そのダイヤモンドは、Karenのガラス吹きで生き残り、作品の一部になっていた。

Heikeは、「われわれにとって、それは閃きであり、より伝統的なガラスファイバでダイヤモンドセンサが造れることを理解した」とコメントしている。

Karenの芸術からプロトタイプセンサに行くまでに、テストと製造でさらに3年かかった、とDr Dongbi Baiは説明している。

APL Materialsに発表された論文は、‘Fluorescent diamond microparticle doped glass fiber for magnetic field sensing’。