July, 31, 2020, 仙台--量子コンピュータを構築する上では、強いスピン軌道相互作用と長いコヒーレンス時間の両立が大きな課題となっている。東北大学大学院理学研究科の小林嵩助教(研究当時)らの国際共同研究グループは、弱い圧力を加えたシリコン中のホウ素原子に束縛された正孔において、非常に長いコヒーレンス時間を観測した。
今回の成果は従来の知見を覆し、強いスピン軌道相互作用と長いコヒーレンス時間が両立可能であるということを示している。この研究結果から、シリコン中のホウ素原子によって量子ビットを形成することで、スピン軌道相互作用を利用した高い機能性と拡張性を実現できることが示された。半導体ベースの量子コンピュータの開発への新たな道筋となる。
研究成果は「Nature Materials」のオンライン版に掲載した。
(詳細は、http://www.tohoku.ac.jp)