July, 6, 2020, 大阪--大阪大学大学院工学研究科の山内和人教授を含む研究グループは、多層膜集光鏡を用いたX線自由電子レーザのナノ集光実験において、6nmのX線ビームの形成を新手法で実証することに成功した。
これまでX線自由電子レーザを10nm以下まで集光することは、X線鏡作製の問題だけでなく、集光ビームの計測問題のために難しく、誰も実際の集光サイズを確認できていなかった。今回、コヒーレントX線散乱により生じる干渉模様(スペックル)の形状を精密に解析することで、10nm以下まで集光されたX線ビームの形状計測に成功した。これにより、X線自由電子レーザの集光技術のさらなる向上が可能となる。また、集光径という基礎パラメータを正確に決定できたことで、データ解析の精度の向上が期待される。
研究成果は、英国の放射光科学専門誌「Journal of Synchrotron Radiation」に、2020年7月1日(水)18時(日本時間)に公開された。
研究グループ
大阪大学大学院工学研究科の山内和人教授、大学院生の井上陽登(博士後期課程2年)、松山智至助教、理化学研究所放射光科学研究センターの石川哲也センター長、矢橋牧名グループディレクター、高輝度光科学研究センターの大橋治彦主席研究員
(詳細は、https://resou.osaka-u.ac.jp)