June, 25, 2020, Saudi Arabia--Texas A&M AgriLife の研究者は生物物理学を使って植物育成をスピードアップする。
よりよいピーナッツ苗木を育成する長いプロセスは、生物物理学技術、ラマン分光学を使うことでスピードアップできる。
Texas A&M AgriLife の生物物理学者と植物育成家は、ピーナッツのオレイン酸レベルを素早くスキャンする目的でラマン分光学の利用を実証した。オレイン酸、モノ不飽和オイルによりピーナッツは保存可能期間が延びる。そのオイルは、心臓の健康にも役立つ。
研究チームは、その方法を使って植物が線虫に対する抵抗力を計測した。
ラマン分光の利用は、この有益な特性のためにピーナッツ品種をスクリーニングする標準的アプローチと比較すると迅速で安価、可搬的である。研究成果は、Scientific Reportsに掲載された。
「その方法が、われわれのスクリーニングプロセスで膨大な時間を節約できることを示した」とTexas A&M AgriLife Research ピーナッツブリーダー、John Cason, Ph.Dは話している。同氏によると、特定のピーナッツから「フィンガープリント」を採り、大量の情報を入手することができる。その可能性は無限である。
「ラマン分光は、生物化学では一般的であるが、農業従事者や植物ブリーダーの世界ではほとんど知られていない。しかし、それはポータブルであり、安価、正確で高速である、またデジタルファーミングを変革できる」。
ラマンの利点 vs.確立された方法
以前は、害虫に抵抗力がある植物、あるいはピーナッツの脂肪酸量を分析するには、植物からDNAを取り出すか、あるいはサンプルを現場外の研究所に送って赤外分析した。両方の方法とも、ラマンに比べると非常に時間、コストがかかり、労力がかかる。
このプロジェクト用に、チームは、商用入手できるシューズボックス程度のサイズのハンドヘルドラマン分光計を利用した。ラマン分光は、物質が無害なレーザ光をどのように散乱させるかを計測する。各物質は、特殊な散乱「フィンガープリント」を持ち、1秒のスキャンで多くの種類の分子情報について手がかりを与えてくれる。スキャンは、比較的簡単であるが、チームは、さらに、そのデータの分析の方法を開発、改良している。
ピーナッツの葉のスキャンにより、害虫に耐性がある、また影響を受けやすい植物をほぼ75%の正確さで区別できた。さらに、ピーナッツのタネのスキャンでは、高いオレイン酸レベルの種を82%の正確さで区別できた。
チームは現在、ピーナッツ苗木の研究を拡大しようとしている。最初の目標はラマンを使って旱魃条件に高い耐性があるピーナッツ種を素早く分離することである。また、より栄養価の高い種の育成に役立てるために、栄養素含有量の研究も考えている。
その技術の制約の一つは、スキャナがスキャンされる物質と接触している必要がある点。チームは、100フィート離れて植物をスキャンできるように、ラマン「テレスコープ」に取り組んでいる。
(詳細は、https://agrilifetoday.tamu.edu)