June, 11, 2020, Seville--セビリア大学の研究者は、ノッティンガム大学と協力して、3Dプリンティング技術で得た生物分解性、生体適合システを持つ金で安定化されたナノ粒子の画像を初めて作成することができた。このテストのために選んだ画像は、セビリア大学のロゴ。
この成果は、製薬産業にアプリケーションがある。例えば、金をベースにした生体適合バイオセンサの準備など。このようなバイオセンサは、すでに、発ガン性細胞や腫瘍バイオマーカーの検出で効果が示されている。近年、積層造形が、複雑な形状、個人化を必要とするアプリケーションに適した技術として認められている。層ベースの製造は、従来の製法と比べて一般的なスモールバッチ製造コストを低減する。これは製薬産業の注目を集め、この技術に処置の完全個人化への出口が見えてきている。
研究はインクジェットプリンティングに集中した。これは、高分解能と、同じプリンティングプロセス中に1つ以上の材料をプリントできる機能などの優位性を提供するものである。この技術を使うことで研究者は、金の伝導性と生体適合性に基づく個人化バイオセンサとして利用できるシステムの製造を提案した。
現在、インクジェットプリンティング用の既存の金インクは、この金属のナノ粒子に基づいているが、簡単に結合し、プリントが困難であるため、それらは極めて不安定である。そうしたことから、プリントしやすい在り来たりな金インクの開発は非常に貴重である。
研究チームは、独自に開発した、櫛構造のポリマ(ポリウレタン)を使って、何度もテストして極めて高い安定性のある微小金ナノ粒子を初めて生成することができた。
その目的のために、様々なポリマをアラビノースから準備した。これは、自然に採取できる糖であり、開発された材料に完全な生体適合性、生分解性を付与するものである。したがって、油から採取した従来のポリマによって生まれる汚染残留物は回避できる。
初めてこの種のポリマを金ナノ粒子の準備に使用した。これらのナノ粒子は、3つの異なる化学的官能ポリマから採ったもので、インクジェットプリンティングでプリントできるサイズ(最大10nm)であり、少なくとも6ヶ月は安定していた。各インクのプリント可能性をテストし、特性のバランスがとれているものを選択して、大学のロゴのプリントに利用した。TOF-SIMSからとった画像では、金が観察でき、ポリマの背景(ブルー)に、ロゴのアウトラインを形成している。これは、3Dプリンティング技術によって得られた、生分解性、生体適合性システムで安定化された初の金ナノ粒子画像である。