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次世代ペロブスカイト太陽電池、耐熱性を高め効率維持

May, 28, 2020, Ames--結晶構造と有望な光電特性を持つペロブスカイトは、次世代のローコスト、効率的、軽量で柔軟な太陽電池を造る有効成分である。

現行世代のシリコン太陽電池の問題は、太陽エネルギーを電気に変換する効率が相対的に低いことである、とアイオワ州立大学、Vikram Dalalは指摘している。

実験室で、ベストなシリコン太陽電池は、約26%の効率、商用電池では約15%である。このことは、所定量の電力を作るには大きなシステムが必要になると言うことであり、システムが大きくなるとコストも高くなる。

そのため、研究者は効率を上げ、コスト下げる新しい方法を探している。効率を50%に上げる一つの考えは、タンデム構造である。これは、2種類の電池を相互にスタックし、それぞれが異なる補完的な太陽スペクトルの部分を利用してパワーを生み出す。

ペロブスカイトの有望性と問題点
 研究者は最近、ハイブリッド有機-無機ペロブスカイト材料をシリコン電池の優れたタンデムパートナーと考え始めた。ペロブスカイトの効率は約25%であり、補完的バンドギャップであり、薄くでき、シリコンに簡単に堆積可能である。

しかし、Dalalによると、そのようなハイブリッドペロブスカイト太陽電池は、高熱に晒されると壊れることが分かっている。

アイオワ州立大学のエンジニアは、国立科学財団から一部助成を受けているプロジェクトで、高温でペロブスカイトを安定化しながら、ペロブスカイトの有用な特性を利用する方法を見いだした。研究成果は、American Chemical Society Applied Energy Materialsに発表された。

論文の筆頭著者、Harshavardhan Gaonkarは、「これらは、ペロブスカイト太陽電池材料の商用化追求で有望な成果である」とコメントしている。同氏は現在、ON Semiconductorのエンジニアとして、Boiseで研究している。

材料の微調整
Dalalによると、新しい太陽電池技術には2つの主要な開発がある。

まず、ペロブスカイト材料の組成を微調整した。
 エンジニアは、材料の有機成分を排除した、特にカチオン、余分なプロトンおよび正電荷を持つ材料。さらにセシウムのような無機材料を代わりにした。それにより、材料は高温安定となった。

2番目に、ペロブスカイト材料を一つの薄い層に一度で作製する製造技術を開発した。この蒸着法は一貫性があり、汚染物を全く残さず、すでに他の産業で使われている。したがって、商用製造に拡張可能である。

「われわれのペロブスカイト太陽電池は、200℃でも3日間にわたり熱劣化は示さない。これは実世界の環境で太陽電池が絶えなければならないよりも遙かに高い温度である」とGaonkarは話している。

さらにDalalは、「この温度では完全に分解していたと考えられる有機-無機ペロブスカイト電池よりも、それは遙かに優れている。したがって、これはこの分野の大きな前進である」とコメントしている。

効率向上
論文では、無機ペロブスカイト太陽電池が11.8%の光変換効率であると報告している。このことは、この先、エンジニアにとって、さらなる研究活動があるということである。

「われわれは現在、この電池の最適化を進めている。変換効率をもっと高めたい。まだ、研究すべきことはたくさんあるが、材料の組合せを利用することで達成できると考えている」(Dalal)。

例えば、エンジニアは、ペロブスカイト材料に一般的なヨウ素を臭素で置き換えた。それによって電池は、湿気の影響を受けにくくなる。標準的なハイブリッドペロブスカイトのもう1つの問題の解決である。しかし、その置き替えは電池の特性を変え、効率低下となり、シリコン電池との協調性も落ちる。

したがって、微調整と試行が続くことになる。
(詳細は、https://www.news.iastate.edu)