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THz光を効率よく捕らえる新しいディテクタ

May, 22, 2014, Ann Arbor--ミシガン大学の研究チームは、独自のテラヘルツディテクタとイメージングシステムを実証した。
 同大学電気工学・コンピュータ科学、Jay Guo教授は「われわれはTHz波を音に変換した。われわれのディテクタは感度がよく、コンパクトであり、室温で動作する。われわれは型破りのアプローチでそれを実現した」と話している。
 このディテクタが作り出す音は高すぎて人間の耳には聞こえない。
 研究チームによると、現在のTHzディテクタは大きすぎ、冷やさないと機能しないか、あるいはリアルタイムで動作しないかのいずれかである。このため、武器や化学検出、医療イメージングや診断などのアプリケーションでTHz波の有用性が制限を受けている。
 研究チームは、光-音の変換を可能にする特別な変換器を開発した。この変換器は、1つのエネルギー形態を別のものに変える。この場合、変換器はTHz波を超音波に変換して伝送する。
 変換器は、ポリメチルシロキサン(PDMS)という多孔質のプラスチックとカーボンナノチューブ(CNT)との混合物でできている。
 THz波が変換器に当たると、ナノチューブがそれを吸収して熱に変換する。その熱がPDMSに送られる。加熱されたPDMSが膨張し圧力波が出て行く。それが超音波で、人間の耳で聞こえる音よりも1000倍以上高い。
 超音波を検出する方法は多い。超音波検出器は存在するが、研究チームは、マイクロリング共振器として知られる微小プラスチックリングの形状で感度のよいものを作製した。その構造はわずか数㎜である。
 研究チームは、開発したシステムをコンピュータに接続し、それを使ってアルミの十字架をスキャンして画像化できることを実証した。
 この新しいディテクタの応答速度は、わずか1秒の100万分の1であり、多くの分野でリアルタイムTHzイメージングが可能になる。
 このシステムは、熱をベースにした他のシステムとは異なっている。THz波の連続的な流れではなく、個々のTHz光パルスのエネルギーに応答するからである。このため、これは外部温度の変動から影響を受けない。