May, 15, 2020, Stockholm--ほとんどの人にとって銅酸化は、変色した表面や腐食したエレクトロニクスを意味する。しかし化合物Cu2O、つまり酸化第一銅は、量子フォトニクス、オプトエレクトロニクス、再生可能エネルギー技術にとって有望な材料である。スウェーデン王立工科大学(KTH Royal Institute of Technology)の研究チームは、高品質酸化銅マイクロ結晶を合成する方法を開発した。
チームは、酸化第一銅(Cu2O) のマイクロメートルサイズ結晶のスケーラブル製法の開発を報告している。
KTH’s Quantum Nano Photonicsグループ研究者、Stephan Steinhauerは、「Cu2O固有の特性は、固体状態で光による量子情報処理の新たなスキームにつながる」とコメントしている
「この研究は、オプトエレクトロニクスにおけるCu2Oの幅広い利用、新しいデバイス技術の開発に道を開く」
その結晶を合成するために、真空状態で銅薄膜を加熱して高温にする。Communications Materialsに発表された研究で、KTH研究チームは、この方法を採用して、優れた光学材料品質のCu2Oマイクロ結晶達成のための成長パラメータを確認した。
そのプロセスは標準シリコン製造技術に適合しており、フォトニック回路集積の可能性がある。
「この材料で量子オプティク実験の大半は、鉱山で見つけた地質学的サンプルで実施されてきた、例えばナンビアのTsumeb鉱山。われわれの合成法は、非常に低い製造コストに関連しており、量産に適し、環境に有害なガス、薬品を必要としない」とSteinhauerは説明している。
同氏によると、研究成果は固体リュードベリ励起に基づいた量子技術実現の基礎となる。リュードベリ励起では、高主量子数で励起された量子状態。
これらの励起は、フォトニック集積回路に適合し、シングルフォトンレベルで光のオンチップ生成と操作を狙っている。「課題は、リュードベリ原子向けに以前に開発された量子情報処理と量子センシングスキームをマイクロメートルあるいはナノメートルスケールで半導体結晶の固体環境に変えることが前途に横たわる」と同氏は説明している。
(詳細は、https://www.kth.se)