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3D金属プリンティング、レーザやEBの代わりにLED

May, 12, 2020, Graz--グラーツ工科大学(Graz University of Technology)で開発された技術は、金属部品の積層造形のためにレーザ光の代わりにLEDを使い、構築時間、金属粉体消費、装置コスト、後加工に関して3D金属プリンティングを最適化する。

選択LEDベース溶融(SLEDM)、高出力LED光源を使い金属粉体を標的溶融する加工は新技術。TU Grazの研究所長(Institute of Production Engineering)、Franz Haasのチームが3D金属プリンティング向けに開発し、現在、特許申請中。その技術は、金属粉体が、レーザ、電子ビームで溶融され、層ごとにコンポーネントを形成する、選択レーザ溶融(SLM)や電子ビーム溶融(EBM)と同じである。しかし、SLEDMは、これら粉体床製造プロセスの2つの問題を解決する。大型金属コンポーネント製造で時間がかかること、手動後加工に時間がかかること。

製造時間削減
SLMやEBMプロセスと違い、SLEDMプロセスは、高出力LEDビームを使って金属粉体を溶融する。この目的で使用されるLEDsは、西シュタイアーマルク州(Styrian)照明スペシャリストPreworksにより特別に採用され、複雑なレンズ系を装備している。それによりLED焦点径は、溶融プロセス中に0.05 ~ 20 ㎜の間で簡単に変更できる。結果的に、単位時間あたりに大きな体積の溶融が可能になり、フィルグリー内部構造で分注する必要がなくなる。したがって、例えば燃料電池、医療技術向けのコンポーネントの製造時間が、平均20倍短縮される。

退屈な後加工不要
この技術は新設計の製造プラントと統合される。ここでは、他の溶融プラントと対照的に、上から下までコンポーネントを足していく。コンポーネントは、こうしてむき出しになり、必要な粉体量は最小限に減り、必要な後加工を、プリンティングプロセス中に実行することができる。「時間のかかる、現在の方法で必要とされる通常の手動再加工、例えば、表面粗さを滑らかにする、支持構造の除去などは、もはや不要になり、貴重な時間をさらに節約する」とHaasは説明している。

アプリケーション分野とさらなる計画
 SLEDMプロセスのデモンストレータは、K-Project CAMed of the Medicalですでに検討されている。ここでは、2019年10月に初の医療3DプリンティングLabが開設された。生体吸収性金属インプラントを造るためにそのプロセスを使う。例えば、マグネシウム合金でできた望ましいスクリューは、骨折に使える。これらのインプラントは、骨折部位が結合した後に身体に溶け込む。非常にストレスが多い2度目の手術は、もはや必要でない。SLEDMの利用により、そのようなインプラントの作製は、手術室で直接可能になる。「LED光は、強力なレーザ光源と比べると、手術には、当然、危険は少ない」とHaasは話している。

第2の焦点は、持続可能モビリティである。つまり、燃料電池用のバイポーラプレート、バッテリシステム向け部品などのコンポーネント製造である。「SLEDMを使い、われわれは積層造形を採算がとれるものにしたい、またSLEDMをこの研究分野の初期段階に位置づけている」とHaasはコメントしている。同氏は、次の開発段階で、この3D金属プリンタの素晴らしいプロトタイプを作製する予定である。
(詳細は、https://www.tugraz.at)