May, 12, 2020, Saint Petersburg--ITMO大学の研究者を含む国際研究チームは、性能を高めた微小光源を製造するためにペロブスカイトナノ結晶をベースにした新しい複合材料を開発した。多孔ガラスマイクロスフィア内のペロブスカイトナノ結晶の保護により、ほぼ3倍安定性が増加する。さらに続いてこれらの粒子をポリマで被覆することで、CsPbBr3ベースのナノ結晶、水分発散性の発光マイクロスフィアが製造できる。この製法は、多様な生体アプリケーションでペロブスカイトナノ結晶実現に特に重要である。研究成果は、ChemNanoMatに発表された。
ハロゲン化鉛ナノ結晶は、現在の材料科学で最も研究されたものの1つ。ピュアで高輝度発光など、優れた光学特性があり、最新のレーザシステムへの実装にとって魅力的である。特に、ペロブスカイトナノ結晶の利用は、マイクロスケールレーザにつながる。これは、生体組織など、強い散乱媒質におけるプロセスの可視化に使える。
同時に、ペロブスカイトは、環境条件で不安定、特に水との相互作用、また強い光露光である。ペロブスカイトナノ結晶の安定性向上が科学界で取り組む必要がある主要な問題の1つとなっている理由がこれである。
国際研究チームは、CsPbBr3ペロブスカイトナノ結晶を多孔性シリカマイクロスフィアに組み込むための様々な条件を検討し、発光強度が初期レベルの85%で現れる発光物質製造の最適パラメータを確定した。同時に、保護マトリクスなしのナノ結晶の強度は、20%に低下した。そのような複合材料は、強いUV露光下で安定的であった。これは、レーザシステム動作で光励起源として使用できる。
Elena Ushakovaは、「この研究の次のステップは、ペロブスカイトナノ結晶の発光マイクロスフィアに保護層を形成する方法の開発、同時にそれらを水溶液に移動することであった。これをするために、マイクロスフィア表面に逆帯電したポリマ層を層ごとに堆積する確立された技術を利用した。結果的に、安定した光学特性をもつ、発光性の水分散性マイクロスフィアを造ることができた。これらの成果は、様々な生体アプリケーションにおける光源としての応用に重要である」とコメントしている。