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東京大学/筑波大学、光スイッチング効果を示す超イオン伝導体を発見

March, 19, 2020, 東京--東京大学大学院理学系研究科 大越慎一教授と筑波大学数理物質系 所裕子教授の研究グループは、光スイッチング効果を示す超イオン伝導性極性結晶を発見した。
 この結晶は鉄-モリブデンシアノ骨格錯体にセシウムイオンを含んだ3次元ネットワークで構成される極性結晶構造の物質です。この物質は318 K (45 °C)において4 × 10−3 S cm−1 という高いイオン伝導度を示し、超イオン伝導体であることがわかった。この物質に、室温において532 nmの光を照射したところ、イオン伝導性が1×10−3 S cm−1 から 6×10−5 S cm−1へ可逆的に変化し、イオン伝導性の光スイッチング効果が観測された。また、自発電気分極により第二高調波発生(SHG)を示す超イオン伝導体だった。このようなSHG活性な超イオン伝導体はこれまでに報告されていない。光応答性および SHG活性を示す超イオン伝導体はこれまでに例のない物質であり、燃料電池の電解質の機能提案につながることが期待される。光でイオン伝導度がスイッチングできるこの物質の性質を使えば、将来、電池のON/OFFを光で行うことができるようになると期待される。

研究成果は、Nature Chemistryオンライン版で公開されました。
(詳細は、http://www.s.u-tokyo.ac.jp/)