February, 25, 2020, Sydney--太陽電池で利用される結晶材料がレーザ光を操作する安価な代替となることが発見された。潜在的なアプリケーションは、通信、医療診断、コンシューマオプトエレクトロニクス。
研究成果はAdvnced Scienceに発表された。
研究チームは、ペロブスカイトとして知られる安価な結晶を使って、ファラデー回転子を作った。これらは、基本的な光特性、偏光を変えることで産業および科学の広範なデバイスで光を操作する。これにより研究者やエンジニアは、自在に光を安定化、阻止、操作することができる。
ファラデー回転子は、ブロードバンドおよび他の通信な技術の光源で使用され、レーザや増幅器を不安定にする反射光を阻止する。光スイッチや光センサにも使用されている。
研究チームのリーダーDr Girish Lakhwaniは、「光スイッチだけの世界市場は、45億ドルであり、成長が続いている。他のファラデーアイソレータに対する、ペロブスカイトの主要な競争優位性は、材料のローコストと加工のしやすさである。つまり拡張性がある」とコメントしている。
今日まで、ファラデー回転子の業界標準は、テルビウムベース・ガーネットだった。Dr Girish Lakhwaniの研究チームは、ハロゲン化鉛ペロブスカイトを使用した。これは、より安価な代替であることが分かっている。
「われわれの技術の開発と採用は、APAC地域内のオーストラリアの有利な位置に助けられている。APAC地域は、高速通信インフラストラクチャへの投資増により急成長しているからだ」と同氏は話している。
研究チームが採用したハロゲン化鉛ペロブスカイトは、優れた光学特性と低い製造コストにより、学界で勢いづいている種類の材料である。
ポスドク研究者、Dr Randy Sabatiniによると、ペロブスカイトに対する関心は太陽電池から始まった。
「ペロブスカイトは、高価なプロセス、チョクラルスキー法(Cz)で作られる従来のシリコン電池と比べると効率がよく、遙かに低コストである。現在、われわれは、別のアプリケーションに注目している、ファラデー回転子だ。ここでも商用標準はCz法を使って作られる。太陽電池の場合と同様、ペロブスカイトは、同じように競争力がある」と同氏は話している。
論文では、研究チームは、ペロブスカイトの性能が、可視光スペクトル内のある色では、商用標準の性能に匹敵することを示している。
(詳細は、https://sydney.edu.au)