February, 12, 2020, 東京--三菱電機は、情報通信研究機構(NICT)と共同で、飛行中の旅客機内における100Mbps以上の大容量・高速通信を目指し、厚み3cm以下の世界最薄クラスのKa帯対応航空機用電子走査アレイアンテナ(AESA)技術を開発した。
より大容量・高速通信が可能なミリ波帯(V帯)の要素技術についても、三菱電機単独でアンテナ素子を開発、また、東北大学(東北大学)および東北マイクロテック株式会社と共同で高周波集積回路を開発し、ミリ波帯対応の航空機用AESAの実現も可能にした。大型機から小型機まで機体サイズに左右されず搭載可能で、高緯度地域にも対応しているため、世界中の航空路で、オンデマンド動画再生など高速インターネットサービスの実現に貢献する。
開発の特長
高緯度地域に対応した世界最薄クラスのAESAにより、さまざまな航空路・旅客機における衛星通信の大容量・高速化に貢献
・NICTが開発したアンテナ素子と、三菱電機が開発した高周波分配・合成回路と高周波集積回路を一枚のプリント基板上に形成・実装した、中・小型旅客機にも搭載できる厚さ3cm以下の世界最薄クラスのKa帯対応AESA技術を開発
・三菱電機が開発したミリ波帯中空構造アンテナ素子により、ミリ波帯においても良好な円偏波特性と電力効率の向上を実現。仰角20度の低仰角方向へのビーム走査に対応し、高緯度地域を含めた世界中のさまざまな航空路における大容量・高速通信に貢献
Ka帯・ミリ波帯の高周波集積回路の開発により、次世代大容量衛星通信に対応
・従来比1.8倍の世界最高レベルの電力付加効率を有する高出力増幅器と、従来比0.8倍の雑音指数を有する低雑音増幅器を搭載したKa帯高周波集積回路を開発し、衛星通信の大容量・高品質化に貢献
・東北大学および東北マイクロテック株式会社と共同で、シリコン貫通電極により複数の高周波集積回路を積層化したミリ波帯3次元実装高周波集積回路を世界で初めて開発し、Ka帯より大容量・高速通信ができるミリ波帯対応AESAの実現が可能
(詳細は、http://www.mitsubishielectric.co.jp)