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レーザ穿孔フィルタで廃水のプラスチック粒子を除去するプロジェクト

February, 6, 2020, Aachen--マイクロプラスチックが、毎日、われわれの下水や環境に入ってくる。しかし下水処理プラントは、これらの微小なプラスチック粒子を十分に除去できていない。
 2019年以来、ドイツBMBF(ドイツ連邦教育研究省)助成、SimConDrillリサーチプロジェクトが役立つ。業界と研究所の5パートナーを統合したプロジェクトの目標は、廃水から10µm程度プラスチック微粒子を除去できる微小なレーザ穿孔を特徴とするフィルタを共同開発すること。この画期的なイノベーションは、Green Awardにノミネートされた。

Fraunhofer Institute for Environmental, Safety and Energy Technology UMSICHTの調査によると、ドイツだけで333000メートルトンのマイクロプラスチックが毎年環境に放出されている。しかし、これが人々や環境にどんな影響を与えるかについては、研究は、まだ調査の初期段階にある。マイクロプラスチックは、蔓延する問題であり、これらの微小粒子を効率よくフィルタで除去することは、単なる排水処理施設の設計目的とは言えない。飲料水が、われわれの健康や環境に重要であることは言うまでもない。

こうした問題を主要な関心事と判断して、SimConDrillパートナーは、自らマイクロプラスチックを分離する耐久性のあるモジュールの開発を目標にしている。レーザ穿孔を持つフィルタは、大量の水に関わる応用でも、10 µmの粒子を、効率よく除去するように設計される。

この新世代のフィルタは、Klass-Filter GmbHのサイクロンフィルタをベースにしている。大量の水がフィルタの中心で押し通されると水中の分子が分離される。

Fraunhofer Institute for Laser Technology ILTと LaserJob GmbHは、サイクロンフィルタに使用される金属箔に効率よく孔を開けるために必要な技術に取り組んでいる。この仕事に最も適したシステムは、高出力レーザである。これは、ピコ秒、フェムト秒で超短パルスを発する。効率よくフィルタを造るには、レーザは、個々の孔が確実に10µmより小さくなるように、薄膜に膨大な数の孔を開けなければならない。

そのプロセスを無理なく使えるようにするために研究者は、100を超えるパラレルビームのマルチビームプロセスの利用を研究している。しかし、この方法では注意が必要である。100の穴を同時に空けると、フィルタ箔を溶かしたり、変形させたりする可能性があるからだ。重要な点は、プロセスパラメータと適切な加工戦略を注意深く調整することである。これをするために、研究チームは、フラウンホーファーILTで開発したプロセスシミュレーションとOptiY GmbHの最適化ソフトウエアを組み合わせる。レーザドリリングプロセスの品質を保証するために、チームはLunovu GmbHと共同開発した計測システムも使用する。このシステムは、全ての穴が正確に開けられ、水が正しいレートでそのフィルタを流れることを保証する。

この研究プロジェクトは、2021年6月まで実施される。現在、チームは200µm厚の金属箔に10µm径の孔が開けられる。次のステップは、そのプロセスを産業利用に拡張することである。研究チームは、すでに孔サイクロンフィルタに開けたテストフォイルをサイクロンフィルタに組込むことに成功しており、機能とフローテストを始めた。