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痕跡を残さずに3Dナノ構造内部を観察

February, 3, 2020, Twente--3Dナノ構造内部に何があるかを発見することは、もはやスライスに切り、それを破壊してその機能を壊すような問題ではない。トゥエンテ大学の研究者と欧州シンクロトロン放射ファシリティ(ESRF)は、3Dナノ構造内部深くを見る新しい方法を発見した。この「痕跡のないX線トモグラフィ」(TXT)は、例えば、フォトニクス、電子チップ、メモリで利用できる。研究成果は、ACS Nanoに発表された。

今日、ナノ構造は複雑な3D「構築」となっている。例えば、光操作用の構造。シリコンエレクトロニクスチップも同様に、多層材料と相互接続するワイヤで構成されている。しかし、完全な構造が期待通りかどうかを設計者はどうすれば知ることができるか。顕微鏡を覗いても、表面だけしかチェックできない。この表面レベルでは、「よい、悪い、最悪」なサンプルは全く同じにしか見えない。内部をもっと深く見る方法は、その材料をスライスして調べることになる。もちろん、それは機能の損失となる。新しい技術は、スライスするが、これらはまだ2D画像である。物理的なスライスではなく、それは3D画像を形成する。その構造は、後になっても、全く完全なままである。

X線技術は、以前から利用されているが、十分な深さ、コントラストに届くには、まだサンプルを開く必要がある場合が多い。新しい痕跡を残さないX線トモグラフィ(TXT)は、より高いX線エネルギーレベルを利用するので、1㎜を超えるシリコン厚さのサンプルを見通すことができる。主席研究者、Diana Grishinaは、「新しいナノテクノロジーでは、これはウエファを透過して見るに十分である。実際、全てのシリコンデバイスが、われわれの研究中に影響を受けず、現状のままである。これは、既存の技術を使うよりも20倍まで深く見ることができる」。その新技術は、所望の領域をクローズアップすることもできる。

X線ビームは、フォトンエネルギー17 keVで23×37ナノメートルのスポットに集光する。この「ホログラフィックトモグラフィ実験は、フランス、グルノーブルのEuropean Synchrotron Radiation Facility (ESRF)で行われた。サンプルは、各深さで画像を生成するために動かされ、回転される。最終的に、集約処理を行い、これら分離した画像の全てを統合して一つの3D画像にする。

サンプルとして、チームは、いわゆるフォトニックバンドギャップ結晶、フォトニクスにおける最近のブレイクスルーを取り上げた。その機能は、2方向の多くの深い孔に依存して、光が操作できるキャビティを形成する。表面レベルでは、その構造は同じに見えるが、内部を見ると、3つのうちの1つが「良」である。もう1つは、、製造工程のエラーのために、内部に大きなボイドがある。それは「不良」。3つ目は、内部に3D構造さえなく、「最悪」であり、孔が浅すぎる。研究チーリーダー、Willem Vox教授は、「TXTは、設計された、見込性能に見られないあり得る理由を非破壊的に差別化する。TXTが、3D機能ナノ構造を厳しく評価するための独特の、強力なツールであるとわれわれが考える理由である」とコメントとしている。