January, 31, 2020, 東京--昭和大学の工藤進英特任教授らのグループが開発を進めてきた人工知能(AI)内視鏡画像診断支援ソフトウェア(EndoBRAIN(R)-EYE)が、臨床性能試験を経て、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」に基づき、クラスII・管理医療機器として2020年1月24日に承認を取得した。
大腸がんは日本人女性のがん死亡数の1位、男性でも3位と増加傾向で、効果的な対策が求められるがん種。その対策として、大腸内視鏡で早期がんや前がん病変である腫瘍性ポリープを切除することで、大腸がんによる死亡を大幅(53-68%)に減らせることが知られている。しかし、1回の検査当たり腫瘍性ポリープの約22%が見落とされている可能性が指摘されていた。見落としの内訳として、大腸のヒダや便に隠れて描出ができていない場合と、画面上にポリープが描出されていてもヒューマンエラーによって見落とされる場合がある。
昭和大学横浜市北部病院消化器センターは、特に後者による見落としを防ぐことを主眼として、名古屋大学大学院情報学研究科の森健策研究室(AIエンジン開発を担当)及びサイバネットシステム株式会社(「サイバネット」・システム化を担当)と連携して、医師による内視鏡検査を補助するAIを2013年より研究・開発してきた。2018年12月にはこの研究成果の第1弾として内視鏡画像を解析し、医師による病理診断予測を補助するソフトウェア「EndoBRAIN(R)」が薬機法承認を取得している。
今回開発を進めてきた内視鏡画像診断支援ソフトウェア(EndoBRAIN(R)-EYE)が、国内5施設(昭和大学横浜市北部病院、国立がん研究センター中央病院、静岡県立静岡がんセンター、東京医科歯科大学附属病院、がん研究会有明病院)の共同による臨床性能試験を経て、医薬品医療機器等法に基づき、クラスII・管理医療機器として承認(承認番号:30200BZX00021000)を取得した。
(詳細は、http://www.showa-u.ac.jp/)