January, 30, 2020, つくば--産業技術総合研究所(産総研)ナノ材料研究部門ナノ粒子機能設計グループ田嶌 一樹 主任研究員らは、東芝マテリアル株式会社(東芝マテリアル)、東レエンジニアリング株式会社、林テレンプ株式会社(林テレンプ)と共同で、可視光から近赤外光にわたる遮光性を備えた調光デバイスの大面積作製法を開発した。
今回の調光デバイスは電圧をかけることで電気化学的なイオン伝導が生じ、エレクトロクロミズムの原理により光学特性を切り替えることができる。産総研などは、調光材料として可視光遮蔽に関係するプルシアンブルー型錯体ナノ粒子と、可視光と近赤外光両方の遮蔽に関係する酸化タングステンナノ粒子を、それぞれ水に分散してインクを作製した。これらのインクを工業的な塗布装置の一種であるスリットコーター向けに最適化することで大面積調光デバイスの作製を可能にした。開発した調光デバイスを調光窓として用いれば、場面に応じた光学特性を利用して空調負荷や照明負荷の効率的な低減や安全な空間を実現できる。
この技術の詳細は、2020年1月29~31日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されるnano tech 2020(第19回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議)で発表される。
(詳細は、https://www.aist.go.jp)