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ナノサイズの光で金属-半導体ハイブリッド構造を作製

January, 27, 2020, 札幌--北海道大学電子科学研究所の笹木敬司教授,パン クリストフ助教及び北海学園大学工学部の藤原英樹教授の研究グループは,ワンステップの光照射でナノサイズの金属構造上に選択的に半導体ナノ構造を合成する新技術を開発した。

ナノサイズの金属構造には光を閉じ込める効果(光ナノアンテナ効果)があり,金属ナノ構造周辺には強い電場が誘起される。このアンテナ効果は,発光や吸収,散乱などの様々な光-物質間の相互作用を増強する有用なツールとして利用されている。特に半導体の分野では,金属と半導体のハイブリッド化により,発光や光電変換,光触媒反応などの高効率化に向けた研究が報告されている。しかし,この効果を発揮させるには,ナノサイズの材料を金属ナノ構造の適切な位置に配置する必要がある。

研究チームは,光ナノアンテナ効果を利用し,光をナノサイズの領域に集光すると同時に,光吸収に伴う金属ナノ構造の発熱をナノサイズの熱源として利用した新しい半導体合成法(プラズモン支援水熱合成)を開発した。この手法では,金属ナノ構造を適切にデザインすることにより,光の回折限界を超えた領域内で,金属ナノ構造上に局所的かつ選択的に半導体ナノ構造を合成できる。発光や光電変換,光触媒反応を起こす半導体を金属ナノ構造内に適切に配置する本手法により,ナノサイズの発光素子,エレクトロニクス素子,量子効果を用いた光演算素子,超高感度に光を検出する装置などへの応用が期待される。

研究成果は, Nano Letters誌にオンライン掲載された。
(詳細は、https://www.hokudai.ac.jp)