May, 19, 2014, Montreal--INRS Énergie Matériaux Télécommunications Research Centre、François Légaré教授の研究チームは、研究中のレーザの技術的限界を克服するために最初からやり直し、より簡素なレーザデザイン、新たなパラメータの制御、優れたパフォーマンスを可能にする新しいコンセプトを開発した。「周波数ドメイン光パラメトリック増幅」(FOPA)と言われるこのコンセプトは、過去20年にわたり超高速科学レーザの基軸であった従来のタイムドメイン増幅スキームを凌駕している。
研究者にとって、動く電子を撮像することは分子イメージングの至高の目標である。しかし、そのような画像を撮ることがでる短くて強力な光パルスを生成する研究で、レーザの基本的な限界、不十分なパフォーマンスという制約を受けてきた。「我々の目標は、高い空間的および時間的分解能を利用して化学反応画像を撮ることだ。化学反応の中で実際に動いている電子が見えるところでビデオを回したい」とフランソワ・レガレ教授は言う。
タイムドメインではなく、周波数ドメインでレーザパルスを増幅することは、ある技術的な障害を克服する、特に同時に多数の異なる周波数にアクセスでき、それらを独立に制御できるようになる。「われわれのアプローチは、ハイパワー、ブロードスペクトラム、少サイクルレーザ光源で期待できる」と研究者の1人は説明している。
Nature Communicationsに発表した論文では、研究チームはFOPAが所与の条件: 1.5mJ、1.8µm、2光周期に相当する12fsで、タイムドメイン増幅を用いるレーザに匹敵するパルスを生成することを実証した。研究チームによると、FOPAアプローチはこれまで制御できなかったパラメータにアクセスできるようにするだけでなく、多くの複雑なコンポーネントを不要にする。「このコンセプトを支えるロジックは他のタイプのアプリケーションにも適用できるので、非線形オプティクスに対して全く新しい見方ができるようになると考えている」とレガレ教授はコメントしている。