January, 24, 2020, Bath--University of Bathの生物学エンジニアは、医者が、通常のスマートフォンカメラを使って、尿路感染症(UTIs)を迅速に診断する際に役立つテストを開発した。
妊娠検査に似たそのプロセスは、わずか25分で、尿サンプル内の有害なE. coli細菌の存在を特定できる。現行のテストよりも遙かに迅速であるだけでなく、それは正確なUTIテストを、より広く利用できるようにする。潜在的にポータブルであり、既存のラボベーステストと比べて遙かに安価であるので、開発途上国や遠隔地で利用できる。
E. coliは、細菌性UTIsの80%に存在するので、見つかったら医療の専門家に話し、抗生物質治療が必要である。スマートフォンカメラとともに、そのテストは、様々な細菌感染の検出にも適用でき、幅広い試薬や新しい微小設計材料を活用する。研究者によると、テストの簡便性は、現在、概念実証段階をパスしているので、貧困あるいは遠隔地の患者に処置を見極める新たな方法を提供できることになる。
Biosensors と Bioelectronicsに掲載された、そのテストは抗体を使って細菌性細胞をプラスチックストリップ内の非常に細い毛細管に捕らえ、現在利用されている微生物法ではなく、光学的に細胞を検出、特定する。
同大学化学光学部、Dr Nuno Reisが、そのテストの開発を主導した。同氏は、「そのテストは小さく、可搬であるので、一次医療や開発途上国で利用することができる」と話している。
「現在、UTIsの細菌感染は、尿サンプルの微生物テストで確認される。それ正確ではあるが、数日の時間がかかる。われわれは、医療専門家が、そのような状況から早く脱して、患者を迅速に処置し、抗生物質の処方箋について適切な決定が出せるように支援したい」。
UTIsの迅速な診断の欠如により、多くの場合、潜在的に不必要な抗生物質を包括的に処方することになっている。これは、細菌が処置に耐性を持つようになり、世界的な健康と発展への最大の脅威の一つと見なされている。
テスト動作
テストは、尿サンプルを畝のあるプラスチックのマイクロキャピラリストリップの上に通して実行する。ストリップは、E. coli細菌細胞を認識できる固定化抗体を含んでいる。E. coliがサンプルに存在すると、試薬中の抗体は、それと結びつき、それがプラスチックストリップ部分を通過しないようにする。最後に、色を変える酵素が加えられ、スマートフォンカメラで撮ることができる。
そのシステムは、カメラで撮った画像を分析することで、サンプル内のE. coli濃度も計測する。その手順は簡単であり、主電源不要で手動あるいは完全自動に実施できる。
スマートフォン利用に対する規制機関の懸念克服
今日まで、米国FDAなどの機関は、スマートフォンを使う技術に認可を与えていない。ラボ条件でないことと電話のソフトウエアアップデートがテストを非科学的にすることの両方を例証している。しかしDr Reisは、テストが可変スケールを使って画像内のピクセルをデジタル的に比較する方法により、その処置が最終的な製品となるように規制機関を説得すると考えている。
同氏によると、豊かな国々は、その方法を追加することの恩恵も受ける。GP診療所など一次医療施設内でのテストが実行可能になり、テストのためにサンプルを中央研究所に送る必要が低減するからである。
「UKや豊かな国々は、国立および地域研究所への負荷を減らすために非集中化診断への大きなシフトを考えており、医者に情報に基づいた診断を行うための重要ツールを供給しようとしている」。
「これを促進することは、プロセスのスピードアップに関して患者へもよい結果となるが、ヘルスケア提供者にはコスト低減にもなる。われわれは、集中的な診断サービスを置き換えると主張しているのではなく、抗生物質の処方をサポートし、過剰利用を避けるために最初の接点に安価で迅速なツールを供給する話をしている」と同氏は説明している。
プロセスの次のステップは臨床試験である。ここでは臨床および商業パートナーの協力が必要になる。さらに次には、テストの改善に取り組み、他の細菌やその濃度の検出ができるようにする。これは、正確な用量の処方に役立ち、抗生物質の過剰利用回避に役立つ。
「スマートフォンは、診断の非集中化の最大の問題の一つを解決する。その機能は、一定条件では、実際に非常に高機能である。これまではラボでしか利用できなかったような高度なスキャナと同等の機能を提供する」とDr Reisは話している。