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コロイド量子ドットレーザダイオード実現間近

January, 24, 2020, Los Alamos--ロスアラモス(Los Alamos National Laboratory)の研究者は、慎重に設計したコロイド量子ドットを集積光共振器を含む新しいタイプのLEDsに組み込んだ。これにより、レーザとして機能することになる。この新しい、デュアル機能デバイスは、多目的で、製造容易なレーザダイオードへの道を開く。その技術は、フォトニクスやオプトエレクトロニクスから化学センシングや医療診断まで多くの分野を変革する可能性がある。

ロスアラモス研究所量子ドットグループ長、Victor Klimovは、「この最新のブレイクスルーは、われわれが達成した他の最近の進歩、量子ドット化学とデバイスエンジニアリングのとともに、溶液からアセンブリしたレーザダイオードが間もなく実現することを示唆している。量子ドットディスプレイやテレビは、商用製品としてすでに販売されている。コロイド量子ドットレーザが、次の順番である」と語っている。

コロイド量子ドットレーザは、高度な、真空ベースで、層ごとに堆積する技術を必要とする現在の半導体レーザダイオードよりも安価で簡素な方法で製造可能である。溶液処理可能レーザは、あまり困難ではない実験室や工場条件で製造可能であり、多くの新しい分野に利益をもたらすデバイスの実現になる。例えば、集積光回路、光回路、lab-on-a-chipプラットフォーム、ウェアラブルデバイス。

過去20年、ロスアラモス量子ドットチームは、コロイド化学で準備された半導体ナノ結晶に基づいたレーザ発振するデバイスの基礎と応用面に取り組んできた。これらの粒子は、コロイド量子ドットとして知られており、自然な溶液環境から容易に処理し、様々な光学的、電子的、オプトエレクトロニックデパスを作ることができる。さらに、それらは、既存の半導体レーザダイオードでは利用できないような色を生成するためのレーザ発振アプリケーション向けに「サイズを調整」できる。

Nature Communicationsに発表された論文では、研究チームは、商用実行可能なコロイド量子ドット技術への道でいくつかの課題解決に成功したと報告している。特に、光励起、低閾値レーザとしても機能するLEDを実証した。これらの挙動を達成するためにチームは、量子ドット発光層への電荷キャリアフローを阻害することなく、光共振器をLEDアーキテクチャに直接組み込んだ。さらに多層デバイスの構造を注意深く設計することで、50µm幅の超薄量子ドット媒体内に発振光の良好な閉じ込めを実現した。これが、レーザ発振効果を実現する決め手である。また同時に、電流により量子ドットの効率的な励起も可能になった。今回のデモンスレーション成功で、この最後の構成要素は、独自の自作量子ドットである。これは、ロスアラモスのチームが多年にわたる、これらのナノ構造の化学と物理学研究で開発した製法を通じたレーザ発振アプリケーションに最適である。

現在、ロスアラモスのチームは、残る課題に取り組んでいる。電流密度を、いわゆる「反転分布」達成に十分なレベルに増強すること、つまり量子ドット活性媒体を光アンプに変える領域のことである。

(詳細は、https://www.lanl.gov/)