January, 22, 2020, Tucson--アリゾナ大学精神医学教授、William “Scott” Killgoreは、青色光を使って、脳震盪から回復しつつある成人の睡眠パタンのリセットを行った。これによって脳構造の回復、接続性や認識能力の回復を促進する。
アリゾナ大学の新しい研究によると、毎朝、青色光露光治療は、軽い外傷性脳損傷の影響を受けた人々の治癒プロセスに役立つ。
「日中、青色波長の光を受けることは、人々が、より健全で正常な睡眠をとれるようにするために、概日リズムの再調整に役立つ。これは万人にとって真実と思われるが、われわれは先頃、軽い外傷性脳損傷(TBI)から回復しつつある人々で、それを実証した。睡眠の改善は、認識機能の改善、日中の眠気を少なくし、実際に脳の修復になる」と同教授は説明している。研究成果は、Neurobiology of Diseaseに発表された。
軽い外傷性脳損傷、つまり脳震盪は、転倒、ケンカ、自動車事故、スポーツの結果、よくある。他の脅威の中では、軍人は、爆発物の破裂に晒されることでmTBIを経験することもありうる。衝撃が、内臓の柔らかな組織に打撃を与え、脳に急激な圧力をかけ,:血管や脳組織に微細な損傷を起こす、とKillgoreは説明している。
同教授によると、例えば自動車事故で、衝撃を受けたとき、髪の毛よりも細い微細脳細胞は、力によって簡単に伸び、引き裂け、もぎ取られる。
脳震盪、mTBIを受けた人々は、瞬間的に星を見ることがあり、方向感覚が失われ、損傷後短時間に意識を失うことさえある。しかし、それは常に起こるとは限らない。脳震盪を受けた多くの人々は、軽い脳損傷に気づくことなく立ち去ることができる。頭痛、注意力不足、精神的にぼんやりした状態は、頭部損傷後、一般に報告されており、何週間も、あるいは人ににって波何ヶ月も続くことがあり得る。
ランダムに選ばれた臨床試験で、成人TBI患者は、明るい青色光を発する(ピーク波長469nm)キューブ状のデバイスを使用した。参加者は、毎早朝30分、デスクまたはテーブルから6週間照射を受ける。コントロールグループ(比較群)は、明るいアンバー光に晒された。
「青色光は、メラトニンという脳が生成する化学物質を抑制する。午前中は、メラトニンは必要ない。眠くなり、脳が眠る準備に入るからである。午前中青色光にさらされると、それが脳の生物学的時計を変える。夕方に、メラトニンが早期に作動し、眠りに落ち、眠り続けるようにするためである」
メラトニンの自然な概日リズム、つまり夜と昼に関連する身体の睡眠と覚醒サイクルとが一致する時、人々は最も回復的な睡眠をとる。
「概日リズムは、人の行動に対する最も強力な影響の一つである。人間は、24時間光/闇サイクルで数百万年、地球で進化してきたので、われわれの細胞すべてにそれは染み込んでいる。毎日同じ時間に、規則的に睡眠をとるなら、身体と脳が、全てのこれら修復プロセスを効果的に調整できるので、非常によい」。
青色光処置の結果、参加者は、トライアル以前と比べて平均一時間早く眠りにつき、起きた。また、日中の眠気は少なくなった。参加者は、脳の処理速度と効率を改善し、視床枕核の体積の増加を示した、これは視覚的注意にかかわる脳の領域である。覚醒と認知を押し進める視床枕核と脳の他の部分の間の神経接続とコミュニケーションフローも強化された。
「良質の睡眠と概日アライメントを促進することで脳の治癒を進めているとわれわれは考えている。これらのシステムが治癒すると、この脳のエリアは、より効果的に相互通信する。それは、認知の改善、日中の眠気の減少になる」とKillogoreは話している。
コンピュータ、スマートフォン、TVのスクリーンからの青色光が、青色光に不当な非難を加えることがある。しかし、Killgoreによると、「光に関して,タイミングが重要である。光は、それ自体が単独で、必ずしも良い、悪いと言えない。カフェインのように、いつそれを利用するかに帰着する。夜10時にコーヒーを飲めば、睡眠にはよくないが、午前中に飲めば、頭がすっきりするかもしれない」。
研究チームは、研究を継続して、青色光が睡眠の質を高め、光治療が情緒障害や精神疾患にどのように影響するかを調べる計画である。