December, 5, 2019, 大阪--大阪大学大学院基礎工学研究科の冨士田誠之准教授、永妻忠夫教授、西田陽亮(当時:博士前期課程学生)、西上直毅(博士前期課程学生)、Sebastian Diebold博士(当時:特任助教)らは、ローム株式会社と共同でテラヘルツ波の検出が可能な小型電子デバイスである共鳴トンネルダイオードのテラヘルツ波の検出感度を1万倍という大幅な向上を実現した。
電波と光の中間領域の周波数を有する電磁波であるテラヘルツ波は、超高速無線通信、高分解能センシングなどの応用が期待されている。しかし、その発生、検出技術が未熟であるという課題があり、各種応用を切り拓くためには検出感度の大幅な向上が必要である。
研究グループは、テラヘルツ帯で動作可能な電子デバイスである共鳴トンネルダイオードに着目。共鳴トンネルダイオードを発振器として動作させ、検出対象のテラヘルツ波と同期させることでテラヘルツ波の検出感度を1万倍向上させることに成功し、併せて、30Gb/sの世界最高速無線通信を実現した。
これにより、テラヘルツ波を利活用した超高速無線通信や分光分析、非破壊検査、計測、セキュリティ応用、高分解能レーダなどの実用化に向けた動きが加速することが期待される。
研究成果は、Scientific Reportsにオンライン出版された。
(詳細は、https://resou.osaka-u.ac.jp/)