November, 21, 2019, Newark--デラウエア大学の研究チームは、新しいスケーラブルプラットフォームでレーストラック共振器設計を利用し、高速でパワー効率のよい光変調器を実現する。
デラウエア大学電気・コンピュータ工学部(University of Delaware Department of Electrical and Computer Engineering)の研究チームは、変調効率強化のための改良電極を持つ、初のSiN-LN電気-光可変レーストラック共振器を実証した。チームは、研究成果をOSA Advanced Photonics Congress (APC)で発表した。
SiとInPは、集積フォトニクスファウンドリで人気のある材料であるが、それらは超ワイドバンド、高速位相変調には適していない。加えて、それらの材料は、高い光出力に対処できない。すべてをうまく取り扱う一つの材料は存在しないため、将来のフォトニックデバイスは、多様な材料を利用する必要がある。したがって、新しい材料系の利用は、SiとInPの短所を埋めるために望ましい。このシステムは、薄膜リチウムナイオベート(LN)電気-光特性と、シリコンナイトライド(SiN)の低損失、高い光パワー取扱能力を統合する。
博士課程学生、Abu Naim R. Ahmedは、「わたしの研究は、エネルギー効率の良い光ネットワークと次世代PICs向けのコンポーネントに焦点を当てている。アプリケーションは、IoT、オンチップデータルータ、超伝導量子コンピュータ、人工知能(AI)、5Gネットワークである」とコメントしている。さらに同氏は、「これら次世代技術の全ての要求は、低駆動電流、超広帯域、高速データ伝送、スモールフットプリント、CMOS適合製造工程である。これらの課題に対処するために、われわれは新しいハイブリッド材料系を実証した。これは、薄膜LNとSiNを結合させたフォトニックプラットフォームをベースにしている。われわれが実証したことは、従来のマイクロ製造プロセスを使い、LNのエッチングなしで、可変、高品質光マイクロリング共振器を製造できると言うことである」。
LNとSiNの組合せにより高速、高効率で省エネアクティブデバイスが可能になる。このハイブリッド材料プラットフォームで新しい改良レーストラック構造を使い、従来のバルクLNデバイスを遙かに上回る電気-光変換効率が達成可能である。さらに、提案したデバイスは、長さが10倍短い。「この比較的研究されていない材料プラットフォームを使い、われわれは最近、サブボルト電気-光変調器も実現した。これは、40年以上の幻の目標であった。われわれの考えでは、これはRF-フォトニック技術のブレイクスルーである。また、このハイブリッドプラットフォームは、将来の集積フォトニックネットワークにとって実行可能なソリューションになる」とAhmedは話している。