November, 20, 2019, Cambridge--トポロジカルインシュレータは、画期的な材料である。荷電粒子はエッジを自由に流れ、欠陥の周りを走り回るが、その内部に入り込むことはない。この完全な表面伝導は、高速で効率的な電子回路にとって有望である。とは言えエンジニアは、そのような材料の内部は、事実上、無駄な空間であるという事実に対処しなければならない。
2005年にトポロジカル絶縁体がペンシルバニア大学で初めて発見された。同大学の研究チームは、物理的な空間が遙かに大きなプレミアムであるような分野、フォトニクスでその有望性を実現する方法を示した。研究チームは、その内部フットプリントを利用するトポロジカル絶縁体のための方法を初めて示した。
電子の代わりにフォトンを利用することでフォトニックチップは、情報転送速度が遙かに高速になり、情報密度が高いアプリケーションにとって有望であるが、それらを作るために必要なコンポーネントは、電子コンポーネントより著しく大きいままである、効率的なデータルーティングアーキテクチャが欠如しているからである。
しかし、瞬時に再定義できるエッジを持つフォトニックトポロジカルインシュレータ(絶縁体)は、フットプリントの問題解決に役立つ。すなわち、必要に応じて、これらの「道(roads)」を相互にルーティングできることは、内部容積全体を使って効率的にデータリンクを構築できることを意味する。
研究チームは、初めてそのようなデバイスを作製し、テストした。研究成果は、Scienceに発表された。
材料科学の准教授、Liang Fengは、「これは、5G、6G、携帯電話ネットワークなどの巨大情報容量アプリケーションに大きな影響を与える。これは、トポロジカルインシュレータの初の実用的なアプリケーションとなる」とコメントしている。
電子からフォトンへの切替えは、今後の情報爆発にはデータルーティングプロセスを高速化することになるが、エンジニアはまず、新しいデバイスライブラリ全体を設計しなければならない。そのフォトンを入力から出力に切替え、そのプロセス中に混乱と損失がないようにするためである。
エレクトロニクスのデータ処理速度の進歩は、そのコアコンポーネントを小さくすることに依存しているが、フォトニクス研究者は、異なるアプローチを採る必要があった。
研究チームは、所定のチップ上の光導波路の複雑さを最大化することを初めた。
研究チームのプロトタイプフォトニックチップは、約250µm平方であり、特徴は楕円リングのモザイク式グリッドである。個々のリングの光特性を変えることを目的に、外部レーザで、そのチップを「ポンピング」することで、導波路の境界を構成するそれらのリングのどれかを変えることができる。
結果は、再構成可能トポロジカルインシュレータである。ポンピングパタンを変えることで、様々な方向へ向かうフォトンが相互にルーティングされ、マルチデータパケットからのフォトンを、複雑なハイウエイインタチェンジのように、同時にチップを通過させることができる。
「われわれは、どの入力ポートからどの出力ポートへもフォトンが行けるようにエッジを定義できる。同時に、マルチ出力も可能である。つまりポート対フットプリント比(ports-to-footprint ratio)は、現在最先端のフォトニックルータ、スイッチと比べて、少なくとも2倍大きい」とFengは説明している。
効率とスピードの向上だけが研究チームのアプローチの利点ではない。
「われわれのシステムは、予期せぬ欠陥に対してもロバストである。リングの1つが、例えば微小なホコリで損傷を受けても、その損傷は、新しい一連のエッジを作るだけであり、われわれはフォトンを送ることができる」とZhaoは説明している。
システムは、導波路の形状を再定義するために、オフチップレーザ光源を必要としているので、研究チームのシステムは、まだ、データセンタ、あるいは他の商用アプリケーションで使えるほどに小さくない。チームの次のステップは、集積的に、高速再構成スキームの確立である。
(詳細は、https://miro.medium.com)