May, 13, 2014, New York--コーネル大学とノルウェーの研究グループによる共同プロジェクトで、太陽光の力を利用して面倒な病原体問題を、文字通り光を当てて解決した。
うどん粉病菌に対する光の効果を研究している際、研究グループは高価な殺菌剤を使うことなく光を用いる新たな方法で病原体の発生を抑制できることを発見した。うどん粉病菌は透明な寄生菌で、キュウリ、ブドウ、漿果などに感染する。
ノルウェー大学ライフサイエンスのAruppillai Suthaparan氏とコーネル植物病理学者、Robert Seem氏、David Gadoury氏の新しい研究によると、UV-B光がキュウリのうどん粉病を抑制すること、特に夜間に照射すると効果があることが分かった。
UV-Bは太陽光で放射されており、植物や菌の生きた細胞のDNAやタンパク質に損傷を与える。透明なうどん粉病菌はUV光を阻止する色素がないので、特に損傷を受けやすい、とGadoury氏は説明している。
研究チームは、キュウリにうどん粉病を感染させ、UV-Bを短く5回、10分、15分照射した。UV-B照射はキュウリの葉の約90%~5%うどん粉病菌を減らせ、胞子の形成も減らせることが分かった。
夜の暗闇でUV-B照射した時には結果はさらに劇的だった。また、赤い光だけ(夕日の色)を補うと、照射時間を減らし、植物への損傷を減らすことができた。
青色の光またはUV-Aを補ったUV-B光は効果が弱かった、Gadoury氏は、胞子の活性DNA修復メカニズムに青色光やUV-Aが役立っている可能性があるためと考えている。
UV-B光の効果は有望である、特にうどん粉病が力強さを増すグリーンハウス環境では有望。また、うどん粉病の蔓延は高温多湿によって促進されるという通念を疑わせる。そうではなく、胞子は閉鎖環境で繁殖する可能性がある。グリーンハウスのガラス窓や高いトンネルのプラスチックが、病原体を殺すUV-B光を除去するためであると研究チームは説明している。
エネルギーや運送コストの増加にともない、生産者はグリーンハウスや高いトンネルにますます依存して様々な作物を局所的に生産するようになっている。うどん粉病は、作物生産の成功にとって大きな脅威になるとGadoury氏は指摘する。胞子を撃退するために生産者は現在、毎年多数の殺菌剤処理を行っている。年に1つの殺菌剤処理を不要にするだけでも数百万ドルの節約になる。