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新しいクラスの金属材料は強みになる

November, 14, 2019, Livermore--完全な世界では、エンジニアは、金属が強力であり、全く欠陥のない電気伝導性を持っていてほしいと考えている。 
 しかし、完全な金属は存在しない。金属は、合成欠陥により強力さを失い、材料が軟化する。
 ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の研究者と協力者は、その欠陥を克服することで力強さと電気伝導性を維持する新しい種類の金属材料を開発した。その材料は、電気配線やエレクトロニクスに利用できる。
 研究チームは、強度と電気伝導性の既存のトレードオフ破り、前例のない機械的、物理的特性を持つ界面が支配する材料を作れる可能性を証明している。
 「欠陥を持つが、電気伝導性を維持しながら、その軟化を克服する材料をどのように造れるか、というのがわれわれの問いだった」とLLNL材料科学者、Morris Wangは言う。論文は、Nature Materialsに発表された。
 コンピュータシミュレーションで、どの材料がいっしょに使えるかを決めた後、チームは銀を選んだ。銀は天然の電気伝導性をもつが、電子デバイスに収まるほどに理由度が小さくなればなるほど、崩壊が始まる。この欠陥が、その材料の軟化原因となる。
 研究チームは、銅のマイクロ合金を銀に加えた。「ナノスケールでは、銅が欠陥の場所に到達してその欠陥の動きを終わらせるように、これらの2つの金属は混合しない。したがって、その材料はもはや軟化せず、実際、どんどん強くなる」とWangは説明している。
 同時に、その材料は電気伝導性を全く失わない。Wangによると、銀は、欠陥が原因の軟化を克服する方法の一例に過ぎないが、同じ戦略は他の金属にも同様に適用可能である。
 「実世界のアプリケーションには、適切な金属の組み合わせを使うなら、犠牲は非常に少ない。高強度でありながら、なお電気特性を維持する新しい種類の材料を入手することができる」とWangは話している。
(詳細は、https://www.llnl.gov)