November, 11, 2019, Tucson--国立老化研究所(National Institute on Aging)からの助成金により、アリゾナ大学研究者は、脳機能を強化し、認知低下と闘うために近赤外光を使う新たな介入をテストする。
アリゾナ大学とフロリダ大学の研究チームは、近赤外光が認知を強化し、高齢者のアルツハイマー病低減に役立つかどうかを研究している。
国立老化研究所から新たに380万ドルのサポート(180万ドルはアリゾナ大学へ)を得て、研究チームは、65~89歳の参加者を近赤外光露光テストを行う。参加者の頭にキャップを設置し、鼻腔デバイスを鼻に挿入する。
「これは新たな介入である。われわれは、近赤外光バイオモデレーションと言われるものを使っている。これは基本的に、頭の表面あるい鼻孔に設置したダイオードによる近赤外光である」とプロジェクトの主席研究者の一人、Gene Alexanderは説明している。
「われわれは、近赤外光がエネルギー代謝とミトコンドリア機能強化に役立つと考えている。ミトコンドリアは基本的に、エネルギーを生み出す細胞のエンジンである。この考えは、人々を一定期間この光に晒すことで認知機能と脳機能を強化することができる、というものである」とAlexanderは話している。
近赤外光は、動物研究と小規模の人の研究で認知介入として有望であることを示している。このため、フロリダ大学のAlexanderとそのチームは、その可能性をさらに探究することになった。
「アリゾナ大学戦略的計画の一つは、認知寿命と人の寿命との間に存在するギャップを埋めることである。この共同研究は、年齢に関連する認知低下とアルツハイマー病との戦い方をよりよく理解するわれわれの現在進行中の研究の重要な一部である。アルツハイマー病は世界中で数100万に影響している」とアリゾナ大学プレジデント、Robert C. Robbinsは話している。
2大学は、5年の研究機関に168名の参加者を登録する。焦点にしている人々は、認知的に健康であるが、家系や認知不平から、アルツハイマー病の危険が増している参加者である。
「現在、アルツハイマー病発生予備段階にある人々を確認しようとする多くの試みがある。介入の絶好の機会であり、発展を阻止する、あるいは遅らせることができると考えるからである」とAlexanderは言う。
研究参加者は、2週間で、週に3回研究室に来て、10週間で週に1回来る。訪問毎に参加者は、40分間、近赤外光キャップをつけ、鼻孔デバイスを利用する。また、鼻孔デバイスは持ち帰り、指示されたとおりに、毎日約25分利用する。
「われわれは、老化とアルツハイマーリスクで重要と考えられる脳の一定の主要領域、側頭葉と前頭葉で機能強化をしようとしている。これらの領域は、記憶面と問題解決機能のような複合実行機能の側面で重要である」とAlexanderは話している。
参加者の一部は、光処置を受けるようにランダムに割当て、他のものは同じ装置と処置を利用するが、近赤外(NIR)光露光は受けない。NIR光は見えなく、熱も出さないので、参加者には、その処置を受けているかどうかはわからない。
介入前後に参加者は、一連の神経心理テストを終え、脳の静止状態連結性を計測するためにMRIスキャンを行う。研究者は、脳のミトコンドリア機能側面を計測するために磁気スペクトロスコピとして知られる特殊タイプMRIスキャンを利用する。参加者は、介入後3ヶ月で再テストされる。継続する効果、あるいは変化があるかどうかを確認するためでる。
「老化とともに、ミトコンドリア機能が低下することはわかっている。ミトコンドリア機能低下がアルツハイマー病の一部であるかどうかの理解に再び関心が高まっている」とAlexanderは言う。
成功が実証されると、NIR光は認知低下とアルツハイマー病との闘いで安全であり、ローコストツールとなり得る。
「それが役に立つものであるなら、恐らく他の処置と組み合わせて、あるいは単独で、認知老化やアルツハイマー関連の影響を防ぐために役立つ。しかし、もっと多くの研究が必要である」と同氏は話している。
(詳細は、https://uanews.arizona.edu/)