September, 18, 2019, Cambridge--平凡ではあるが、簡単ではない農作物を特定し、収穫するためにマシンラーニングを使う野菜の摘み取りロボットが、開発された。
ケンブリッジ大学のチームが開発した‘Vegebot’は、まずラボ設定でアイスバーグレタスを認識し収穫できるように訓練された。現在、現地の果物と野菜の協同組合、G’s Growersと協力して、様々なフィールド条件で試験を成功させている。
プロトタイプは、人間の労働者に速さ、効率では及ばないが、農業にロボットの利用がどのように拡大するかを実証している。特に機械的収穫が難しいアイスバーグレタスのような農作物への利用でも利用できる。研究成果は、The Journal of Field Roboticsに発表された。
ジャガイモや小麦などの作物は、数10年前から大規模で機械的に収穫されているが、多くの他の作物は、今日まで、自動化が難しかった。アイスバーグレタスは、そのような作物の一つである。UKでは最も一般的なタイプのレタスであるが、アイスバーグは傷みやすく、地面に比較的平坦に育つので、ロボット収穫機には難しい。
ケンブリッジ工学部、論文の共著者、Simon Birrellは、「全ての畑はことっており、全てのレタスが異なる。しかし、ロボット収穫機をアイスバーグレタスで機能させられると、多くの他の作物でもそれを有効にすることができる」とコメントしている。
「現在、収穫は、人手で行われるレタスのライフサイクルの一部にすぎない。また、物理的には非常に要求が厳しい」とJulia Caiは話している。同氏は、Vegebotのコンピュータビジョンコンポーネントに取り組んでおり、Dr Fumiya Iida研究室の学生。
Vegebotは先ず、視界内で「目標」作物を同定する。次に、特定のレタスが正常であり、収穫時期にあるかどうかを判断する。最後に、それをスーパーマーケットに出せるように、それを潰すことなく、残りの植物からレタスを摘み取る。それは、人間にとっては、プロセス全体は数秒であるが、ロボットにとって実に難しい問題である」と論文の共著者、Josie Hughesは話している。
Vegebotには2つの主要コンポーネントがある。コンピュービジョンシステムと摘み取りシステム。Vegebotのオーバーヘッドカメラは、レタス畑の画像を撮る。最初に画像の全てのレタスを認識し、次に各レタス、それが収穫すべきかどうかを分類する。レタスがまだ成熟していないため、あるいは収穫の他のレタスに広がるような病気があるという理由で排除されるかも知れない。
研究チームは,レタス画像例でマシンラーニングアルゴリズを開発、訓練した。Vegebotがラボで正常なレタスを認識できるようになると、次に畑で、様々な天候条件、数千の実際のレタスで訓練された。
Vegebotの第2カメラは、切断ブレード近くに設置され、スムースな切断保証に寄与している。研究チームは、ロボットの保持アームの圧力を調整できる。レタスを落とさないようにしっかりと保持するが、それを潰さないようにするためである。グリップの力は、他の作物にも調整できる。
「われわれは、必ずしもアイスバーグレタスレタスに特化したアプローチを開発したかったわけではない。他のタイプの地上作物にも使えるようにするためである」と研究チームリーダー、Iidaは話している。
将来的には、ロボット収穫機は、農業の人手不足の問題への対処に役立つ。また、食品廃棄物減少にも役立つ。今のところ、各畑は一般に一度しか収穫されないので未成熟の野菜や果物は廃棄される。しかし、ロボット収穫機は成熟した野菜だけを摘み取るように訓練できる。絶えず収穫できるので、同じ畑で複数回の収穫ができ、後に戻ってきて、前回に未成熟だった野菜を収穫することができる。
「われわれはレタスについて多くのデータを収集している。これは、どの畑が最高収量となるかなど、効率向上に使える。われわれは、Vegebotが人間に匹敵するまでスピードアップする必要があるが、ロボットは農業技術で多くの潜在力があると考えている」とHughesは説明している。
(詳細は、https://www.cam.ac.uk/)