September, 4, 2019, Tianjin--天津大学の研究チームが開発した、生物模倣の複眼は、昆虫が複眼を使って対象物とその軌跡を高速に知覚する方法を研究者が理解する際に役立つ。複眼は、カメラに利用して、ロボット、自律走行車、無人航空機向けの3D位置計測システムも創れる。
Optics Lettersに発表された論文では、新しい生物模倣の複眼は、昆虫の複眼に見えるだけでなく、自然の複眼のようにも機能する。複眼は、数100から数1000の反復する個眼でできており、各々が個別の視覚受容体として機能する。
研究チームのLe Songは、「昆虫の視覚システムを模倣することで、人の眼のように正確な画像を利用するのではなく、昆虫は対象物から来る光強度に基づいて対象の軌跡を検出することが分かる。この動き検出法に必要な情報は少なくて良いので、昆虫は脅威に対して素早く反応できる」とコメントしている。
昆虫の目を模倣
研究チームは、1点ダイヤモンド切削として知られる方法を使い、169のマイクロレンズを複眼表面に作製した。各マイクロレンズは、約1㎜径、90°視界で対象物を検出できる約20㎜の複眼となる。隣接マイクロレンズの視界は、ほとんどの昆虫の個眼と同様にオーバーラップしている。
人工複眼作製で困難な点の一つは、画像ディテクタはフラットであるが、複眼の表面が湾曲していることである。湾曲レンズと画像ディテクタの間にライトガイドを設置することによって、この課題を克服し、同時にコンポーネントは様々な角度から均一に受光できるようになった。
「生物模倣の複眼のこの均一な受光は、生物の複眼と同じであり、複眼を再現しようとした以前の研究よりも生物メカニズムの模倣は優れている」とSongは説明している。
3D軌跡計測にその人工複眼を利用するために、研究チームは、位置をピンポイントできるように各小穴にグリッドを着けた。次に複眼から既知の距離と方向にLED光源を設置し、アルゴリズムを使って光の位置と強度に基づき、LEDsの3D位置を計算した。
その複眼システムが対象物の3D位置を迅速に示すことを研究者は確認した。しかし、光源が遠くなると位置精度が低減した。これは、ほとんどの昆虫が近眼である理由の説明になっている。
昆虫にとっての世界の見え方
「この設計により、われわれは、複眼が、対象物の複雑な画像処理ではなく、明るさに基づいて対象物の位置を特定できることを証明した。この高感度メカニズムは,昆虫の脳の処理能力に非常に適しており、捕食者回避に役立っている」。
研究チームによると、対象物の3D位置を検出する新しい生物模倣複眼の能力は、非常に軽量なシステムから素早い検出を必要とする小型ロボットに有用である。また、生物学者にとっては、昆虫の視覚系研究に新たな方法を提供するものである。
研究チームは、その位置アルゴリズムをICsなどのプラットフォームに内蔵し、システムが他のデバイスに組み込めるようにする計画である。また、単価を下げるために複眼レンズの量産法も開発している。