August, 30, 2019, West Larayette--薬品製造ラインで迅速に分子を計測でき、患者の皮膚の組織を分類できるポータブルスキャナ開発に向けて、プリンストン大学主導の研究チームが、マイクロチップに組み込める小型で効率のよいレーザを使うイメージングシステムを開発した。
研究チームは、US25セント硬貨(クォーター)撮像にそれを使い同システムの解像度を実証した。1㎜幅の1/5程度、ワシの翼の羽のような微小部分がはっきりと見えた。
同システムは、テラヘルツ周波数で電磁波を放出、検出する。テラヘルツ放射を使うイメージングは、以前からエンジニアの目標であったが、この周波数範囲で動作する実用的なシステムの開発の難しさが、ほとんどのアプリケーションを遅らせ、「テラヘルツギャップ」と呼ばれるものとなった。
プリンストン大学電気工学准教授、Gerard Wysockiによると、可動部分がなく、半導体チップからの直接テラヘルツ放射を利用する技術が開発された。
Opticaに発表されたその新システムは、分子の組成と配列を素早くプローブしたり、材料に対する構造的損傷を暴く。
デバイスは、正確な周波数で安定した放射ビームを利用する。セットアップは、周波数コム。それぞれが異なる、十分に定義された周波数を放射する多重「ティース」を含んでいるからである。その照射は、サンプル材料の分子と相互作用する。デュアルコム構造により、その測定器は、反射された放射を効率的に計測できる。反射された照射の固有のパターン、つまりスペクトルシグネチャにより研究者は、サンプルの分子の性質を確定できる。
現在のテラヘルツイメージング技術、製造が高価であり、扱いにくいのに対して、新しいシステムは、低コストで、一秒あたりに多くの画像を生成できる半導体設計に基づいている。この高速性により製造ラインでの薬剤錠剤のリアルタイム品質制御ができ、他の高速用途にも使える。
概念実証として研究チームは、薬剤に共通の不活性成分を含む3つのゾーンをもつ錠剤を作った、グルコース、ラクトース、ヒスチジン。テラヘルツイメージングシステムは、各成分を同定し、それらの境界を明らかにした。一つの化学物質が異なるゾーンにあふれ出すいくつかのスポットも同様に明らかにした。このタイプの「ホットスポット」は、薬剤生産では、活性成分が正しく錠剤に混ざらない時に頻繁に起こる問題を示している。
その技術は、テラヘルツイメージングの産業および医療利用を以前よりも実現可能にするが、まだ低温却を必要としており、実用的アプリケーションでは大きな障害である。多くの研究者が現在、室温で動作する可能性のあるレーザに取り組んでいる。プリンストンのチームは、そのデュアルコムハイパースペクトルイメージング技術は、これらの新しい室温レーザ光源で良好に動作するようになると話している。これにより、もっと多くの用途が開ける。