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弱いレーザ光の重ね合わせで加速効率を四倍以上に改善

July, 19, 2019, 大阪--大阪大学レーザ科学研究所のアレシオ・モラーチェ助教と、マックス・ボルン研究所(ドイツ)、サンクトペテルブルグ大学(ロシア)との国際共同研究チームは、複数のレーザビームの同時照射で現れる干渉パターンが粒子加速を増強することを世界で初めて実証した。
 大阪大学レーザ科学研究所のLFEXレーザの四本のビームを同一点に集光することで、光の干渉パターンを介して、レーザ光から電子などの荷電粒子へのエネルギー変換効率を高くできることを実証した。この成果は、従来法であるターゲットの表面に微細な凹凸構造を施し、光の吸収率を上げる手法と比較すると、凹凸構造を干渉パターンで自己生成するため、ターゲットのコストを大幅に下げることができる。加えて、大きな高強度レーザを一台建設するよりも、より小型で汎用性のある高強度レーザを複数組み合わせる方が、粒子加速に適していることが明らかになり、小型で低コストのレーザ加速器の開発に繋がる成果。
 複数のレーザビームを結合することで、レーザから電子へのエネルギー変換効率が高くなり、発生する電子のエネルギーと個数が向上するため、レーザ駆動イオン加速や高輝度X線源のパフォーマンスを劇的に改善することが期待される。この成果は、医療応用や非破壊検査等に資する将来のハイパフォーマンスレーザの開発に対する新しい方向性を示すものである。
 研究成果は、Springer Nature社が発行する総合科学誌「Nature Communications」に、7月5日(日本時間)に掲載された(https://rdcu.be/bIIgU)。

(詳細は、http://www.osaka-u.ac.jp/ja)