May, 2, 2014, Sunnyvale--ベックマン研究所の研究チームは、脳波をテストする新しい技術を用いて、人の知覚に届いたり届かなかったりする外部刺激を脳がどのように処理するかを研究している。発表された論文は、われわれが見たり見なかったりするものに実際にアルファ波がどのように影響しているかを明らかにしている。
研究チームは、脳波記録(EEG)と事象関連光信号(EROS)の両方を利用した。これらはベックマン研究所の認知神経科学グループのメンバーで心理学教授、Gabriele Gratton氏とMonica Fabiani氏認知神経画像研究所で開発された。
EEGが頭皮に沿って電気的活性を記録し、EROSが光ファイバで供給される赤外光を使って大脳皮質の活動域における光学特性の変化を計測する。EEGセンサと脳の間の堅い頭蓋骨のために、信号が生成される場所を正確に見つけるのは難しい。EROSは、光の散乱の仕方を計測し、非侵襲的に脳内の活動を正確に示すことができる。
「EROSは近赤外光をベースにしている。ニューロンが活性化するとき、それらが少し膨らみ、光に対してわずかであるが、透過性が増すことを利用している。これによって大脳の特定箇所が何時情報を処理しているか、活性領域がどこであるかを判定できる」と両教授は説明している。
これにより研究チームは脳の活動を計測できるだけでなく、アルファ振動が発生している箇所をマッピングできる。アルファ波は楔状葉で発生することがわかった。楔状葉は視覚情報を処理する脳の一部にある。
アルファ波は視覚的に処理されることを抑制することができるので、人が予想外のことを見ることを難しくする。
しかし現在経験していることに完全に注意を集中することによって脳の実行機能が働き「トップダウン」制御する。つまり、アルファ波にブレーキをかけ、もっとリラックスしていたら見逃していたかも知れないようなものを見えるようにする。
「われわれの注意をコントロールするとして知られている同じ脳の領域がアルファ波の抑制に関わっており、見にくい目標を見つけるわれわれの能力を高めることにも関わっている」とDiane Beck氏は説明している。
「アルファ波が出どころを知ることは、その領域を狙って特別に電気的刺激を与えられることを意味する。また、人に瞬間、瞬間でフィードバックを与えることもできるので、注意を怠っているドライバーに警告を与えて道の前方に集中させるために使うことができる。あるいは、別の状況では教室の学生にもっと集中するように、あるいはスポーツ選手、パイロット、装置のオペレータに警告するために使うこともできる」とベックマン研究所ポスドクフェロー、Kyle Mathewson氏は説明している。