July, 5, 2019, 東京--NEDOと人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)は、東京大学や信州大学などと共同で、世界で初めて、可視光で水を水素と酸素に分解する酸硫化物光触媒を開発した。
この光触媒はY2Ti2O5S2という酸硫化物半導体で構成されており、波長640nm以下の太陽光を吸収して水を分解できる。波長600nm近辺は太陽光で最も強度が高い波長域のため、効率的なエネルギー活用が期待される。
酸硫化物半導体材料は、次世代の光触媒材料として2000年ごろから有望視されていたが、水中での光照射下で光触媒材料自身が分解しやすいという問題があった。そのため、酸硫化物光触媒を用いて実際に水を分解した事例は、今回が世界初となる。
この研究成果を皮切りに、酸硫化物半導体材料を光触媒による水分解反応に応用することが可能となれば、安価な水素製造プロセスの実現が期待できる。
(詳細は、https://www.nedo.go.jp)