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安価で簡素な製法がマイクロレンズアプリケーションを拡大

June, 19, 2019, Washington--スマートフォンカメラを含め、アプリケーション数の増加は、性能向上でマイクロレンズに依存している。新開発の技術、レーザキャタパルティングは、形状、合焦能力など、カスタマイズされた特性をもつこれら微小レンズの製造を著しく容易に、安価にしている。
 研究成果は、イタリアのIstituto Italiano di Tecnologiaの研究チームが、Optical Materials Expressに発表した。それによると、マイクロレンズの製造は、シングルレーザパルスを使う、新しいレーザアディティブ法を利用している。その技術は、マイクロレンズやマイクロレンズアレイを直接カメラ、ソーラセルに製造できる。

 マイクロレンズは、光をデバイスの最も高感度な領域に集光することでカメラやソーラセルの性能を高める。例えば、マイクロレンズは最新のスマートフォンカメラには広く用いられていて、微光条件で感度とイメージング速度を高めている。

「われわれの製造アプローチは、レンズ製造を簡素にし、同時にマイクロレンズが使用できる環境で設計や柔軟性を多様にする。全く新しいアプリケーションに加えて、この方法は微光条件でビデオを撮る新しいカメラ、効率が向上したソーラセル、高速プロセスを捉えるのに適したマイクロスコープにつながる」と研究チームリーダー、Martí Duocastellaは説明している。

 マイクロオプティクスは市販されているが、恐ろしく高価であり、既存デバイスへの付加が非常に難しい。フォトリソグラフィなど伝統的なマイクロレンズ製法でも、レンズ組込が難しく、高密度充填マイクロレンズアレイの製造は難しい。

 研究チームは、これらの制限を克服するために、キャタパルティングを開発した。その方法は、レーザパルスを使い、薄いポリマフィルムからマイクロディスクを抜き取って勢いよく放出し、それを関心のある所定領域に落とす。マイクロディスクのポリマは、加熱されて熱的にリフローされ、毛細血管力でマイクロディスクは円いレンズ形状になる。レーザビームの形状を変えることで、多様な集束特性、例えば長方形、三角形、円形などの形状のマイクロレンズが製造できる。

「レーザキャタパルティングは、問題を解決するための既存のレーザベース製法と現在のマイクロレンズ製造戦略を結びつける。マイクロレンズを必要とするアプリケーションの増加とオンデマンド、カスタマイズマイクロオプティクス製造技術の間のギャップをそれは埋めている」(Duocastella)。

 レーザビーム形状と結果としてのマイクロディスクとの関係を調べて、研究チームは、その技術の再現性、精度,正確さを研究した。その分析によると、半径50~250µm、非常に滑らかなマイクロレンズが再現性良く製造できることが分かった。その技術で作製したマイクロレンズの光学特性、マイクロレンズアレイの集光能力を計測すると、これらのマイクロオプティクスは、回折限界の性能を示していることが分かった。すなわち、それらは理論どおりの性能だった。

 研究チームによると、レーザキャタパルティングは、高速レーザビーム形状形成法と組み合わせて、アレイの個々のマイクロレンズの光学性能や形状を即座にコントロールできる。

 研究チームは、レーザキャタパルティングを使ってフォトディテクタアレイ上にマイクロレンズを製造する計画である。目的は、非常に高速の生物学的プロセスを特性評価できる高速3D顕微鏡システムの開発。例えば、ニューロンの情報伝達、ウイルスの往来など。マイクロレンズは、フォトディテクタの集光効率増強、したがってイメージング時間の短縮を可能にする。

「これら新しいフォトディテクタアレイは、共焦点顕微鏡に比べて重要な利点があるが、従来のシングルポイントディテクタほどの集光力がない。われわれの考えでは、マイクロレンズは,特にレーザキャタパルティングは、これらのディテクタアレイの性能向上に役立ち、顕微鏡分野での利用を拡大する」とDuocastellaはコメントしている。