June, 7, 2019, Washington--金属にカラフルな芸術を制作するために様々なレーザベースの技術を使うことができる。しかし、個々のアプローチは、様々なタイプのレーザと非常に特殊な設定を必要とする。新しい研究では,研究チームは、金属へのレーザカラライゼーションのための3技術を獲得するために市販のレーザを一つ使用する方法を説明している。これにより、芸術や宝石製作の広範なアプリケーションで、その技術がより実用的になり、量産の可能性もある。
「レーザ加工パラメータを変えることで、われわれは金属表面の加熱範囲を融点から沸点、それ以上にコントロールする。レーザ加工後、様々なマイクロ構造、ナノ構造が形成され、これが処理された表面の色を変える光学効果を作り出す」とITMO大学のGalina OdintsovaをリーダーとするチームのNadezhdaShchedrinaは説明している。
Optical Materials Expressで研究チームは、金属上に大きな色パレットを造り出すためにナノ秒幅パルスを生成するレーザの簡単で確実な方法を報告している。
研究チームは、レーザで金属カラライゼーションを操作する3方法を適用する、レーザ酸化、レーザナノ粒子形成とレーザ構造化である。チームは、その新しいアプローチに基づいてカラーパレットを作り、時間をかけて、それを拡張する計画である。
レーザ酸化では、金属表面に薄い酸化膜を作るためのレーザの使い方を詳述している。その表面は、膜に光干渉が起こるために色が生ずる。これにより、金属表面の広い範囲を色が覆うことができる。
第2の方法は、レーザを使って、5~50nmのサブ波長ナノ粒子を金属に形成する方法を説明している。周辺光がこれらのナノ粒子に当たると、表面プラズモン共鳴として知られる光学現象で色が生ずる。その色は,ナノ粒子のサイズや形状を変えることで変更可能である。この方法は、銀のような貴金属に色をつけるのに役立つ、特別なサンプルの準備は不要である。
レーザ構造化のための第3の方法は,レーザを使って金属表面を部分的に溶かし、周期的グレーティングとして知られている微細な平行溝、スリットのパタンを形成する。これらの構造から散乱する光は、観察角度に依存する色になる。この技術を使って、同じ金属表面にいくつかの画像を作ることができる。各画像はある角度からしか見えないので、金属製品の偽造防止に適用できる。
レーザで芸術創作
研究チームは、その新しい方法を使って、様々な芸術作品を制作した。レーザ酸化で、チタンに色の雑誌イラストを作成した。ナノ粒子の利用をデモするために、カラーレーザデコレーションで銀細工品を作った、またステンレススチールでレーザ構造化を利用して、見る角度の違いにより色や外観が変わる画像を作った。
研究チームによると,レーザ酸化や構造化アプローチは、個々の芸術作品の制作にも量産にも確実に利用できる。研究チームは、継続してナノ粒子法の開発を進め、日常用途にも使えるように安定度を高めていく。また、それらの方法が適用できる金属の数も拡大していく予定である。