June, 6, 2019, 東京--日本電信電話株式会社(NTT)は、高精度な回路設計手法と、広帯域化を図る新しい回路アーキテクチャにより、世界で最も広い241GHzの帯域を有する増幅器ICの実現に成功した。
増幅器ICは汎用性の高い基本素子であり、光通信、無線通信、計測器、レーダ・イメージング等様々な分野で利用される。近年、各分野での高速化・高分解能化に伴い、より広帯域なアナログICが必要になっている。例えば、データセンタ等で使われるEthernet等の光通信では、1レーンあたりのアナログ帯域はCMOS DAC/ADCの帯域限界により20GHz程度に留まっており、さらなる通信容量の大容量化のボトルネックとなっていた。
NTTは、独自の高精度回路設計技術と、広帯域化を可能とする新しい回路アーキテクチャ技術を適用した増幅器ICをInP-HBTで実現し、世界で最も広い帯域241GHzの増幅器ICの実現に成功した。この増幅器ICと帯域拡張技術を組み合わせて光通信に適用することで、1レーンあたり現在の10倍の大容量化に繋がることが期待される。また、この増幅器ICを無線通信に適用することで、ミリ波帯までのマルチバンド一括送信・受信の実現に繋がるので、Beyond 5Gに向けたキーデバイスとして期待される。
技術の詳細は、アメリカ、ボストンで開催される国際会議IMS2019(2019 International Microwave Symposium)で発表される。
(詳細は、http://www.ntt.co.jp/)