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近赤外光を可視光に変換する固体材料を溶液塗布法で実現

June, 3, 2019, つくば--産業技術総合研究所(産総研)無機機能材料研究部門機能調和材料グループ舟橋良次研究グループ長、鎌田賢司上級主任研究員、アブリケム アイズィティアイリ元博士研究員らは、岩手大学理工学部葛原大軌准教授、奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科山田容子教授、大阪大学大学院基礎工学研究科宮坂博教授らと共同で、2成分の分子から成り、近赤外光を可視光に変換(光アップコンバージョン(UC))する固体材料を溶液塗布法(迅速乾燥キャスト法)によって作製した。
 新たに合成した近赤外光を吸収する金属錯体分子を、発光材料中に均一分散させたままでガラス上に塗布し固体化することで、近赤外光照射で黄色の可視光発光が得られる固体材料を実現した。また、時間分解分光測定などさまざまな方法で解析して、この材料の光アップコンバージョン過程のメカニズムを解明し、各中間過程の効率を特定して、効率向上の指針を得た。今回開発した可視光への光アップコンバージョン固体材料は、セキュリティーインク、ディスプレーなどの表示用途が期待されるほか、この技術を発展させ、効率が向上すれば、ペロブスカイト太陽電池や人工光合成などの太陽光変換デバイスの効率向上につながると期待される。
(詳細は、https://www.aist.go.jp/)

技術の詳細は、ACS Applied Materials and Interfacesに公開された。